13.縄による緊縛という結びの思想・四十八手 (22) 日本国家が進行させる<三重層の密閉の構造> 借金返済で弁護士に相談



縄による緊縛という結びの思想・四十八手

(22)  日本国家が進行させる<三重層の密閉の構造>



白昼にあって、通行人が少ないとは言えない通りに面した日本家屋において、
手入れの行き届いた日本庭園にある池の傍らで行われていたことであった、
隙間の多い生垣が遮蔽しているという程度の隔離された庭園であったことから、暇な通行人にしてみれば、
中を覗こうと思えば、簡単に覗くことのできる意外性があったということでしかなかった事態であった、
その意外性とは、<緊縛美の夫人>と称される女性が優美な日本列島の姿態あらわす全裸にされて、
後ろ手に麻縄で縛られ、美しいふたつの乳房の上下にも縄を掛けられ、
地面へ仰臥させられている姿にあるというものであったが、大股開きに開かされた、しなやかなその両脚は、
地面へ打ち込まれた、天皇制と日米安全保障条約という二本の杭へ両足首を繋がれているありさまにあって、
股間を覆う陰毛を剃り上げられて奪われていたことは、
これ見よがしの陰部をあからさまとされている状態へ置かれていることにあった、
艶やかな黒髪の美貌を輝かせる<緊縛美の夫人>が官能の高ぶりを露わとさせていたことは、
悩ましく置き所のないように、柔らかに波打つ髪を右へ左へ打ち振るわせ、
ああっ、ああっ、ああっと甘美な声音を漏らさせ、柳眉をしかめさせる顔立ちには恍惚のまなざしを浮かばせて、
込み上げさせられる羞恥の極みをあからさまとさせながら、
花びらをぱっくりと開かせて、愛液をきらめかせている、妖美なる陰部に歴然とあらわされていることにあった、
強張った女芽という司法、暗い奥を垣間見させる膣口という立法、窮屈なすぼまりにある肛門という行政、
それらの所在をあからさまにこれ見よがしとさせている状況は、
庭園を覗く者が男性であろうと女性であろうと日本人であろうと外国人であろうと、
その平等にある視力に依る知覚において、間違いのないものとして映し出されていることにあるのであった、
これだけのことであれば、ただ、猥褻な事象にあると断じて終わることができたかもしれない、
しかしながら、現在、日本国家が進行させる<三重層の密閉の構造>という事態があったことは、
猥褻な事象に性欲と性的官能を掻き立てられて、思うに任せて自慰行為に耽るだけの対象に留まることは、
敗戦から経済復興で獲得する自負に至る経過のなかで行われたことであれば、
自主・独立・固有の知覚を示すありようを問題とすることが第二義とされることにあったとしても致し方がないが、
高度経済成長がバブル崩壊という頂点を極めたことに依って強いられる内省を経過したことにあるとすれば、
これ見よがしの陰部をあからさまとされている、<緊縛美の夫人>の猥褻は、
ただの猥褻だけに留まらないことは、その姿態を見つめる者にとっては、明らかなことになる、
敗戦後、<国民主権・平和主義・基本的人権>に基づく、新しい<日本国憲法>の下に、
日本人としての自主・独立・固有の知覚を示すありようが作りだされることを目的として出発した方途は、
それが達成にまで至ることがない限りは、依然とした過渡期にあるということであり、
その達成が<日本国憲法>を否定して、<大日本帝国憲法>へ復古することではあり得ないことは、
<主権は国民にある>という<主体意識>にあってこそ、国家の存立は確立されるものにあるからである、
しかし、この<主権は国民にあるという主体意識>は、敗戦後に始まったことも事実としてあり、
戦前は、天皇の<臣民>であり、明治時代以前の封建時代は、領主の<民・百姓>にあったことにある、
<お上(支配者)>を頭上に抱くというありようが歴史的に<主体意識>とされてきたことがあらわされている、
従って、世襲的・伝統的・保守的意識にあることは、遺伝的でさえあって、
あたかも、<お上(支配者)>へ隷属することが<国民>としての<日本人>の当然のありようであり、
<隷属することは、悦びである>という命題が必然であるという様相さえ呈することへ導かれることになる、
<主体意識>が加虐・被虐の状況へ置かれることで、支配者・被支配者が共に性の喜びを獲得するという、
<和製SM>という表現が戦後から高度経済成長期を通じて隆盛を見た背景には、
<お上(天皇)>を頭上に抱くというありように加えて、
アメリカ合衆国という占領軍の支配下へ置かれたことが日本の杭となったことにある、
それは、<主体意識>の確立のためには、引き抜かれなければならない二本の杭にあったが、
現行の政府の方策は、更に、<緊縛美の夫人>へ<囲繞の檻>までも用意していることにあるという事態は、
淫猥・非情・残酷なやくざ屋敷へ拉致・監禁された、
高貴な絶世の美女である財閥夫人がありとあらゆる淫虐の手段で調教されてマゾヒストへ成長し、
義理の娘を始めとして、共に監禁されている、六人の美女と一人の美男子へ教育された手本を示す喩えのように、
支配下にある証明として、不明のフランス人青年の精液による人工授精で妊娠させられる事態へ至るように、
そのありようは、世襲的・伝統的・保守的意識にあると決定されることで、
逃れることのできない、展開のしようがない、されるがままにあるだけの閉塞的絶望状態において、
<隷属することは、悦びである>という命題を結論とされることがもたらされるありようにあると言える、
日本国家の現状は、様々の問題を抱えている、
財政赤字累積債務、自然災害被害復興、原発放射能汚染、国内産業空洞化、TPP、消費税増税、
尖閣・竹島・北方領土問題、人口減少、少子高齢化、地域格差、年金破綻、待機児童、
児童虐待、家庭内暴力、違法薬物使用……
日々の生活に手一杯であれば、
直接に生活の良し悪しに関係してくる事柄が主要な意識となることは必然にある、
従って、着実に進行している現実の事態があったとしても、
それが生活に実際の脅威を及ぼすような結果になるまでは、その意義の深刻さや重大さは理解し難い、
それだけ、生活を維持することに懸命にあるということにある、
日本国家が進行させる<三重層の密閉の構造>とは、そのようなものである、
脅威となる結果に置かれて、始めてその存在を意識できるということであるから、
そのような状態になる以前に、それについて述べられる事柄というのは、
すべて、予想・想像・考え過ぎ・妄想といった類であるとされることにあっても仕方がない、
しかし、それが現実となった場合は、
あのとき、どうして防ぎ止めることができなかったのかという将来の後悔となることにあるが、
<後悔先に立たず>とは、不測の事態があるからこそ、名言として残り続けるということでもある、
日本国家が進行させる<三重層の密閉の構造>という事態を形作る、
<第一層の矢>は、すでに放たれたものとしてある、
2014年12月10日に施行された、<特定秘密保護法>である、
これは、日本の安全保障に関する情報の中で、特に秘匿することが必要であるものを特定秘密と指定して、
取扱者の適正評価の実施や漏洩した場合の罰則などを定めている法律である、
<国民>への情報開示が制限されるという状況を作り出すものである、
そして、<第二層の矢>も、すでに放たれたものとしてある、
2016年3月29日に施行された、<安全保障関連法>である、
これは、他国への武力攻撃が自国の危機となる場合、その他国の戦闘へ加わる、集団的自衛権の容認、
及び、国連PKO活動へ参加する自衛隊の武器使用の可能と活動範囲を拡大した法律である、
<国民主権・平和主義・基本的人権>に基づく<日本国憲法>が始まって以来、
初めて、自衛隊が兵器や武器を使用して殺傷行為を行うことができるものとしてある、
そして、<三重層の密閉の構造>が成立するためには、最後の<第三層の矢>が放たれることにあるが、
これは、現政権を担う、安倍晋三首相の意思表明に従えば、
2016年の夏に行われる参議院選の結果、参議院で改憲勢力の議席が三分の二を超えることを前提に、
2018年9月までの任期中に改憲の実現を目指すと断定されていることから、
<第三層の矢>となる、憲法改正の第一番目の<緊急事態条項>は、
2018年9月までに放たれるということにある、
<緊急事態条項>とは、<自民党の憲法改正草案 ☆本文参照>において、 
<第98条 緊急事態の宣言>及び<第99条 緊急事態の宣言の効果>に示されているが、
要旨は次のようなものである:

内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、
地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、
閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる。
緊急事態の宣言は、事前又は事後に国会の承認を得なければならない。
内閣総理大臣は、事態の推移により当該宣言を継続する必要がないと認めるときは、
閣議にかけて、当該宣言を速やかに解除しなければならない。
百日を超えて緊急事態の宣言を継続しようとするときは、
百日を超えるごとに、事前に国会の承認を得なければならない。
緊急事態の宣言が発せられたときは、
内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、
内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、
地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる。
政令の制定及び処分については、事後に国会の承認を得なければならない。
緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、
当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して
発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない。
この場合においても、基本的人権に関する規定は、最大限に尊重されなければならない。
緊急事態の宣言が発せられた場合においては、
その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、
両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる。

この<条項案>が意義することは、内閣総理大臣が<緊急事態の宣言>を発したときは、
何人も、発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない、
その場合、基本的人権は最大限に尊重されるとあるが、
内閣総理大臣が地方自治体の長に対して必要な指示をすることができるとあるように、
国民のすべてを統御する権力は内閣総理大臣にあるとされる、
その内閣総理大臣の判断と方策は、閣議決定に依って定められるもので、
国会の承認は事後において行われることが容認されている、
緊急事態の宣言が発せられれば、内閣総理大臣の独裁となることが可能であるという意義にある、
憲法改正は、国会の審議・票決・国民投票を経過しなければならないことにあるので、
<条項案>が字義通りの憲法となるとは限らないが、安倍晋三首相は、
憲法解釈を閣議決定に依って変更し、集団的自衛権の行使容認を行ったという実績があり、
<第一層の矢>も<第二層の矢>も、反論・反対がありながら、法律施行されてしまったという実際からは、
どのような<国民>からの反発・批判があったとしても、
2018年9月までに<第三層の矢>が放たれることの明白を否定できないものとしてある、
これは、<アベノミクス 三本の矢>に並ぶ、
<安倍の軍事野心 三本の矢>と呼ばれる公然とした呼称にあることではないが、
すでに、2014年4月1日の閣議で、従来の<武器輸出三原則>を廃止して、
政府方針として<防衛装備移転三原則>が制定されている、
これは、武器の輸出入を基本的に認め、その上で禁止する場合の内容や厳格な審査を規定するものであるが、
2015年10月1日に防衛装備庁が防衛省の外局として発足し、
自衛隊の武器など防衛装備品の開発・調達・廃棄などを一元的に管理する組織として、
日本の防衛予算約5兆円の中の2兆円を運用する、1800人規模で始まったことにある、
安倍晋三首相は、2016年3月21日の防衛大学校の卒業式の訓示で、
みずからを最高指揮官と呼び、「自衛隊、更には防衛省の枠を超えて、
政府一体で、総合的な安全保障政策を進めていかなければなりません。
そして、将来、諸君の中から、最高指揮官たる内閣総理大臣の片腕となって、
その重要な意思決定を支える人材が出てきてくれることを、切に願います」と述べたことにあるから、
首相の二つある腕の片方は、自衛隊にあることが明言されている、
そして、 2015年8月の参議院平和安全法制特別委員会で、横畠裕介内閣法制局長官は、
核兵器の保有に関して、「憲法上、保有してはならないということではない」と答え、
更に、核兵器の使用についても、2016年3月18日の参議院予算委員会で
「憲法上、禁止されているとは考えていない」という見解を示していることからは、
<核兵器をもたず、つくらず、もちこませず>という従来の<非核三原則>も、
自衛権を裏付けるための必要最小限度の軍備として、
閣議決定で解釈の変更が起こり得ることも想定できることにある、
従って、<特定秘密保護法・安全保障関連法・緊急事態条項>が作り出す<三重層の密閉の構造>は、
いずれ時間の問題でそうなるという予兆からは、
老婆心ながら、<必然的な状況としてある>という前提から考察することが要求されるものにある、
内閣総理大臣の独裁を可能とする<三重層の密閉の構造>は、
その構造へ閉じ込められる状況にあっては、容易に抜け出すことをさせないありようにあることは、
運用された場合、冷徹な<囲繞の檻>となるものにあるからである、
<独裁者>を容認しないということが民主主義であれば、
<緊急事態の宣言>というのは、<独裁国家>の始まりが宣言されることに等しい、
北朝鮮に依る弾道ミサイルの試射や核実験、中国の尖閣諸島への領海侵犯や南沙諸島の埋め立て、
或いは、南海トラフ巨大地震や首都直下型地震といった自然災害の危機に対する予防処置として、
理由は如何なる事態であろうと、<緊急事態の宣言>が一度発せられることがあれば、
国策のすべてを内閣総理大臣を<お上>とした閣議決定に依るという政府が樹立することになる、
この政府は、百日を単位として継続されるが、事前の国会承認を得ることが前提ではあっても、
その国会は、<緊急事態の宣言が発せられた場合においては、衆議院は解散されないものとし、
両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる>という規定から、
内閣総理大臣を支える多数与党の国会承認という意義になる、
事実上は、宣言が解除されることがなければ、永続的に持続される、独裁政府ということになる、
この絶対的体制は、内閣総理大臣の頭の中にある判断と政策が唯一の問題となることにあるが、
<安全保障関連法>は、海外における武力行使を可能とすることにあって、
内閣総理大臣を最高指揮官とする自衛隊の出動は容易に軍事行動となり得る、
その軍事行動の詳細は、<国民>へ情報開示されることはない、
<特定秘密保護法>は、政府の方針・政策が如何なるものにあるかを知る情報開示を排斥して、
軍事行動は隠蔽されるという目的にあり、仮に、情報が示されたとしても、
国民を一義に向けるために戦前に行われた、<大本営発表>のような政府宣伝となることは想定できる、
こうした政府の方針・政策に対して、出版・報道・表現の自由という<正・反>の意見は、
<内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができる>ということから、
表現の制限が作り出される状況へ置かれることで、政府に対して反発・反対・抵抗をあらわすことをすれば、
<何人も、発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない>とされる処置として、
公の機関がその反体制者を取り締まるという状況へ置かれることになる、
その結果、民主主義的ありようは消失し、
政府の方針・政策に準じた<正>の意見だけが公然として存在することになる、
<国民>とは、政府の方針・政策に沈黙して追従・隷属する者であることが意義されるということで、
<三重層の密閉の構造>という<囲繞の檻>の中で静かに暮らす、囚われの<国民>生活である、
そして、<お上(支配者)>を頭上に抱くというありようが歴史的に<主体意識>とされてきたことであれば、
それが世襲的・伝統的・保守的意識になることは、日本人の民族意識の本然とさえ称されるものとなり、
宗教・道徳・倫理・社会常識を<日本国憲法>の成立以前へ復古させる必要の当然性として、
<国民主権・平和主義・基本的人権>に基づく<日本国憲法>は、
戦争に敗北したことで、戦勝国・占領軍に押し付けられた<憲法>にあるという根拠から、
<お上(内閣総理大臣)>を頭上に抱く日本人に相応の<憲法改正>が断行される状況へ至ることになる……
そのような状態になるのは、嫌っ!
優美な日本列島の姿態あらわす全裸を縄で縛り上げられた、<緊縛美の夫人>がどのようにあらがっても、
綺麗な赤い唇を割ってしっかりと噛まされた、豆絞りの手拭いの猿轡を施されていては、
はっきりとした言葉にはならず、いやっ、いやっ、いやっと顔立ちを悩ましくうごめかせながら、
大股開きとさせられて<日本の杭>へ繋がれている、しなやかな両脚を悶えさせるということが精一杯となる、
それは、女性が放つ、高ぶらされた羞恥から性的官能に身悶えする妖しい美しさとしか映らないことは、
立ち止まらせる通行人の数を増やし、生垣の隙間から日本庭園を覗く者を観客のようにさせることにある、
政府は、2015年1974万人であった訪日外国人観光客数を2020年のオリンピック開催年には、
4千万人台へ引き上げる方向にあることは、外国人の観客数の増加も当然にあり得ることになる、
しかし、この<緊縛美の夫人>のありさまは、<類稀なる絶世の美女>にある芸妓として、
世の中へ出た姿であるというには、余りにも芸のない見世物だと言われても仕方がない、
幾ら美人でも、芸のない見世物では、いずれは飽きられ、客足は減少することにある、
そこで、趣向を凝らすと言えば、縄で緊縛された全裸の女性を勝手放題にできるのであるから、
<緊縛美の夫人>が晒される被虐の見せ場という出し物が考え出される、
例えば、それは、そのこじんまりとした日本庭園へ、礼服姿の最高指揮官を自称する男性があらわれて、
同様に、礼服姿の十七人の男性と三人の女性が連なって、厳粛な雰囲気を漂わせながら、
優美な日本列島の姿態の<司法・立法・行政>を好色に眺めやるという演出である、
二十一人の男性と女性に穴の開くほど見つめられる、美女の全裸緊縛姿であったが、その挑発は、やがて、
大股開きの陰部の間近へ進み出た、自称最高指揮官のズボンのジッパーをおもむろに下ろさせることなり、
日本を独裁国家に仕立て上げようという野心をあらわすような反り上がりの陰茎を露わとさせるに及んでは、
<緊縛美の夫人>の匂い立つように妖しく美しい恥部へ、その矛先が向けられて、
銀色のしずくが糸を引く亀頭の口先で、強張った女芽という司法は、思いを込めたように撫でまわされ、
窮屈なすぼまりにある肛門という行政は、挿入を試みるような戯れの仕草を散々に繰り返されて、
ついには、思いの丈のままに、暗い奥を垣間見させる膣口という立法へ、
赤々にてらてらと怒張している反り上がりをあてがわれる展開になるという筋書きである、
生まれたままの全裸を縄で緊縛され、地面へ仰臥させられた姿態の両足首を<日本の杭>へ繋がれて、
為政者に強姦されるばかりの<緊縛美の夫人>という濡れ場となることである、
しかしながら、強姦の見せ場は、公然と行われることはあり得ない事態である、
従って、密室で行われるという常套手段となることにあるが、
その場所は、廃屋の一軒家などは比較にならない、議事堂にも似た豪壮な建築物の中であったことは、
そもそも、事前の策略にあったことだと言えるのであった。

<緊縛美の夫人>が豪壮な建物に監禁されて、直径五・二メートルのマカンバの円卓の上に、
一糸もまとわない全裸の優美な日本列島の姿態を仰臥させられているありようは、
最高指揮官を自称する男性を筆頭に、
列席している二十人の男女から間近なものとして眺められることにあった、
<新自由主義>と称される、緊縛姿に晒されていたことは、
国民の自己責任において、その活力へすべてを委ねるべきだとするありようにあって、
企業本位の市場原理主義、民営化、規制緩和が行われていくことにあった、
両腕を背後に組ませられて、一本をふた筋とさせた縄で、両手首を重ね合わせて縛られ、
残る縄を身体の前面の鳩尾と臍のあたりへ巻き付けられてから背中へ戻されると、手首で一度結ばれ、
更に、首筋の一方から前面へ下ろされると、鳩尾と臍にある縄をひとつに絡めるようにして、
しっかりと引かれながら、首筋のもう一方から背後へ戻されて、手首で縄留めされる、
同様に、ふた筋とさせた二本目の縄は、背中の縦縄へ結ばれると、
女性の両脚の右側の太腿まで持ってこられて、二重に巻き付けられると、背後へ戻される、
今度は、膝から折り曲げた姿勢をとらせた左側の脚まで持ってこられ、
束ねるようにして太腿へ二重に巻き付けられる、残る縄は、背後を伝わされながら、
再び、右側の脚の太腿まで持ってこられて巻き付けられると、背中へ戻されて縄留めがされる、
国家百年の計とされる、<TPP 環太平洋戦略的経済連携協定>は、
その<新自由主義>の極みにあり、国民は、自由な経済状況の未来を得たと意識させられるが、
その本然は、国家に依って家畜化されるということにある、
制度に縛り上げられて隷属する家畜としての性奴というありようが生まれることである、
このようにされることで、両脚は、左右へ大きく割り開かされたものとなった、
更に、ふた筋とされた三本目の縄が背中の縦縄へ結ばれると、
乳房の上部へ四重の縄として巻き付けられ、乳房の下部にも四重の胸縄として掛けられると、
残りの縄は、右側の膝を折って縛った縄へ絡められてから、背後へ戻されると、
その側にある腋の下から引っ張り出されて、
脚を引っ張る下部の胸縄と元の縄をひとつに束ねるようにして縄留めがされ、
出来上がる、麻縄による緊縛ということにあった、



それは、男性の陰茎を待ち受けさせられている状態にあるということをあらわす以外のものではなかったが、
捧げものとしてあるその身上に対して、有無を言わせないように、
<緊縛美の夫人>には、口内に布を詰められて噛まされている、
表現の自由を奪われる、猿轡が施されていた、
これ見よがしにさらけ出されている股間は、羞恥の陰部をこれ以上にはないというほどに、
あからさまなものとさせていたが、強張った女芽という司法、暗い奥を垣間見させる膣口という立法、
窮屈なすぼまりにある肛門という行政ばかりではなく、日本列島そのものをどのようにいじくりまわすかは、
二十一人の男女の思惑にまったく委ねられているということは、歴然としていることにあった、
その顔立ちの表情は、両眼を閉じさせて、込み上がってくる官能へ集中させられている様子にあったが、
全裸で股間を晒された羞恥と余りにも厳しい縄掛けに舞い上げられて、
失神寸前の状態にあるとさえ見ることはできたが、膣口からあふれ出させている愛液の輝きは、
なめらかな雪白に輝く柔肌の生気と相俟って、その生々しい存在感を如実にあらわしていることでもあった、
<緊縛美の夫人>が性奴(制度)へ調教されるために、あらゆる責め苦に晒され続けるという経緯は、
実際にある状況としては、日本国家においては、<SM>と称されて、
加虐・被虐の猥褻表現がありきたりであることからは、殊更、新しい事象にあることではない、
従って、<国民主権・平和主義・基本的人権>に基づいて、
自主・独立・固有の知覚を示すありようを<主体意識>とすることへ向かうありようは、
日本国家が進行させる<三重層の密閉の構造>という事態と向き合わざるを得ない必然でしかないことにある、
「我々の方針と政策は、<美しい国 日本>を取り戻すということにある、
<美しい国 日本>とは、敗戦で汚辱にまみれた身上となった一切を払拭することにあり、
その実現のためには、一切の手段を選ばないということにある」
会議の始まりとして、自称最高指揮官は、このように切り出すのであった、
「<美しい国 日本>とは、押し着させられた西洋の衣服を身にまとうことで喪失したもの、
日本の着物を身に着けることで始めてあらわされる美の顕現ということにある、
従って、その着物をすべて脱ぎ去って、生まれたままの全裸の姿態を露わとさせたとき、
日本であることの至上の美が示されることにあるのは、
いま、諸君の眼の前に横たわる、日本列島の優美な姿態を見れば、真に納得のいくことにある」
自称最高指揮官は、立ち上がると、横たわる<緊縛美の夫人>の艶やかに波打つ黒髪へ指先を触れた、
それから、柔らかな夢幻の感触を確かめるように、黒髪を何度も何度も梳き上げるのであった、
それから、その指先は、ほっそりとした首筋を伝いながら胸まで下りると、
上下の胸縄で突き出すようにされた、ふたつのふっくらとした隆起をあらわす乳房の片方へ置かれた、
指先は、乳房の柔和な弾力に応じて、強く弱く揉み上げることを始めていたが、
立ち上がった可憐な乳首のしこりが摘まれる仕草へ及んでは、姿態を悩ましくうごめかせる素振りに合わせて、
<緊縛美の夫人>の猿轡を噛まされた口元からは、ああっ、ああっとくぐもった声音が漏れ出すのであった、
「これを見ても分かるように、日本の繊細な神経というのは、
されるがままになることに鋭敏な反応をあらわす、それが気持ちの良いことや快感や喜びにあることならば、
つまり、食が足りて、娯楽に興じることで、政治的関心を奪われている日々にあれば、
<お上>の言うことや行うことには付き従い、命じられたことを懸命に果たすことをする国民ということにある、
個人の自主・独立・固有の知覚を示すありようなど、日本の繊細な神経には負担になるだけのことだ、
それが事実であることは、日本の歴史を見ても、そのようなありようを最高善としたものなど存在しない、
存在しない以上、これからも有り得ない、
あるのは、日本国家は、その創始以来、<お上>に従う日本の全体という、<ALL JAPAN>があるだけだ」
自称最高指揮官の両手は、<緊縛美の夫人>のふたつの乳房にある乳首へ置かれて、
揉みしだき摘み上げを執拗に繰り返したことは、その強弱に合わせた反応をもたらしていた、
猿轡を噛まされた美しい顔立ちを右に左にそむけて、高ぶらされる性的官能を露わとさせていたことは、
大股開きとされた陰部にあからさまとなる膣口からは、新たな愛液を漏れ出させていることで確認できることにあった、
「日本のこの豊潤な特性を理解しなければ、
そこから始まる日本の矛盾したありようを一つに統括することはできない、
嫌だ、嫌だと反発や反対をあらわしていても、お上の性奴となって隷属することが喜びだと悟れば、
長いものに巻かれろと一つになる、反抗をあらわしても、むしろ、村八分の憂き目に遭うだけのことだ、
従って、反発や反対など、幾らあらわれようとも、まったく、取るに足りないことである、
すでに成し遂げた成果を見れば分かるように、
我々が方針とする政策は、時間の問題で、必ず法制化されるものにあるからだ、
憲法も、同様に、時間の問題で、必ず、<美しい国 日本>を作り出す改正が行われる!」
そのように言い放ったとき、自称最高指揮官は、此処にまでは至ったという感慨を抱いていた、
その野心は、五歳の幼少のとき、つまり、1960年の年、
優美な日本列島の姿態をあらわす、<類稀なる絶世の美女>を見初めたときに始まったことを思い出していた、
邸宅の二階にある一室に昼寝のために寝かされていたとき、
ふいに目覚めて、窓辺へ近寄って下を見てみると、
白昼にあって、手入れの行き届いた日本庭園の大きな池の傍らに背広姿の大好きな祖父がいた、
祖父の隣には、瀟洒な着物姿の見たことのない女性が立っていて、
ふたりの前には、やはり、軍服姿に禿頭の見たことのない白人男性が立っていた、
祖父は、その白人男性に向かって、熱心に語り掛けていたが、
白人男性の方も、頷きながら真剣に聞いているのであった、
女性だけは、顔立ちを俯き加減とさせ、緊張している様子をあらわしていたが、あることを気付かされた、
女性の両腕は、後ろ手にされ、ほっそりとした手首を重ね合わされて、縄で縛られていたのだ、
その縛った縄尻が隣にいる祖父の手にしっかりと握られていることが分かると、
訳も分からずに、どきどきと胸が高鳴り始めて、その光景を食い入るように見させるのであった、
話を聞き終えた、軍服姿の白人男性は、手にしていた文書を祖父へ差し出した、
それと交換するように、祖父は、手にしていた縄尻を相手へ差し出した、
そのとき、女性は、思わず顔立ちをもたげて、その交換をじっと見つめていたが、
蒼ざめているくらいに白い、その表情は、端整で清楚な美貌に当惑と不安と怯えを滲ませたものにあった、
祖父は、背広の内ポケットへ文書を収めると、女性の前へ立って、まじまじと相手を見つめた、
女性は、見つめられる羞恥から、顔立ちを赤らめて、まなざしを逸らさせていた、
祖父の両手の指先は、瀟洒な着物の帯締めへ触れていた、
帯締めが解かれていくと、女性の綺麗な形をした唇が引き締められた、
祖父の指先は、更に、帯揚げを外し始めていた、軍服の白人は、身じろぎもせずにその様子を注視している、
地面へ落とされていく色とりどりの紐の次は、巻き付けている帯が手際良く解かれ始めていた、
女性は、後ろ手に縛られているだけであったが、されるがままの身上にあって、
あらがう言葉も、抵抗する素振りも見せず、ただ、ひたすら耐え忍んでいたことは、
行う相手から逸らさせたまなざしはきっとなり、結ばせた唇は真一文字に固くなって、
顔立ちは赤く染まっていたことであらわされていた、
帯がするすると地面へ落下していくと、着物を支えている伊達巻や腰紐は難なく外され、
裾前がはらりと左右へ割れたありさまに、禿頭の白人男性は、思わず握り締めていた縄尻を引いたことは、
身に着けているものを脱がされていくという思いから、屈み加減になっていた女性の姿態を正させた、
そして、あらわれた長襦袢の伊達巻へ祖父の指先が掛けられたときには、
女性は、もはや、覚悟していますと言わんばかりに、その美しい顔立ちを毅然ともたげ、
両眼をしっかりと閉じさせて、成されるがままを引き受ける態度を示すのであった、
従順な態度に対して、祖父は、うっすらと笑みを浮かばせて頷くと、軍服姿の白人男性の方を振り返ったが、
相手も、笑みを浮かばせた表情で頷いたことは、伊達巻を一気に解かせることへ赴かせた、
長襦袢の裾前が左右へ割り開かれると、肌襦袢の結びは容易でしかなかった、
雪白の柔肌を露わとさせ、ふたつの乳房の片鱗を覗かせたことは、
女性にとって、毅然とした態度を保たせるというには、抑えがたい羞恥をもたらすことにあったことは、
込み上げさせられる思いから、結い上げた艶やかな黒髪を揺らさせて、
いやっ、いやっとか細い声音が綺麗な唇の間から漏らされていることで感じることができた、
湯文字の腰紐が外されていくことは、耐え難い恥辱に晒されるとでも言うように、
火照り上がった顔立ちは、羞恥と不安と恐怖さえ滲ませた緊張を露わとさせているのであった、
それは、下半身があからさまとなったことで、明らかとされたことだった、
しなやかに伸ばさせた両脚、可憐な形の臍のあるなめらかな腹部、
そこへ視線がいってしまうことを避けられない、艶かしい太腿の付け根が覗けたのであった、
だが、その異様は、火照り上がるくらいに、どきどきと胸を高鳴らせるものにあったのだ、
風呂へ一緒に入るとき、何気なく見ている、母のその箇所は、漆黒の陰毛に覆われていた、
だが、その女性の箇所は、覆うべき陰毛がまったくなかったのだ、
漆黒で隠されるべき女の小丘は、白いふっくらとした盛り上がりをあらわしていた、
それだけではなかった、そこには、深い亀裂があることがあからさまとなっていた、
腰付きのくびれへ巻き付けられた縄が臍の辺りで結ばれ、縦へ下りて、
その箇所へ深々ともぐり込まされていたことで、割れめが如実となっていることにあったのだ、
祖父と禿頭の白人男性から、その箇所をまじまじと見つめられて、
女性は、その晒される身上を懸命に耐え忍んで、立ち続ける姿勢を保とうとしていたが、
羞恥と不安と恐れは、身悶えするように、姿態をふらふらとさせていることにあった、
そこで、祖父が羽織るような具合になっていた着物の一切を女性の両肩からすべり落とさせたことは、
愛らしい乳首を付けた、ふっくらと美しい隆起をあらわす、ふたつの乳房を目の当たりにさせ、
腰付きのくびれからしなやかに伸ばさせた両脚へかけての優美な曲線を眺めさせ、
そのかもし出される美麗の夢見るような心地良さは、
五歳の幼児に深い感動をもたらすという衝撃を与えたことにあったのである、
羞恥に舞い上げられて、浮遊している表情の女性の美貌には、
<類稀なる絶世の美女>と言って過言ではない、凄艶の感じられるものがあるのだった、
祖父は、女性の後ろ手に縛り上げた縄を解いていた、
それから、身にまとい付いている着物の一切を容赦なく剥ぎ取っていったが、
女性は、たちまち、自由になった両手で胸の辺りと下腹部を覆い隠して、縮こまろうと懸命になった、
だが、祖父は、そのようにはさせなかった、独りではどうにもならなかったことは、
禿頭の白人男性も、手助けをするように女性の姿態へまとわり付いて、
ふたり掛かりの共同作業で新たな縄を打ち始めたことにあったからだった、
女性は、身に着ける一切を奪われ、生まれたままの全裸の姿を露わとさせていた、
ほっそりとした両腕は、背後へ捻じ曲げられ、素早く両手首を重ね合わされて縛り上げられ、
残りの縄は、ふっくらとした美しい隆起をあらわす、ふたつの乳房の上部へまわされ、
更に、乳房の下部へまわされて、上下から挟み込まれる胸縄とされていった、
1月19日の時点では、まだ、蕾も付いていない、桜の大樹が池のほとりにあって、
女性の優美な日本列島の姿態をあらわす雪白の全裸は、
瘤をごつごつとさせた黒々とした大樹を背にさせられて、直立した姿勢で繋がれることにあったが、
その晒された全裸の姿態の妖美は、眼を見張らせるばかりのものだった、
その妖しい美しさは、縄で縛り上げられている姿にあるからこそあらわされるものであることが刻まれた、
日本列島の優美な全裸の姿態は、縄による緊縛の被虐の姿にあるからこそ、<美しい国 日本>であった、
その異様にあるからこそ、凄艶と言えることにあった、
古来より、<お上>へ隷属する<性奴>の身上にあることの喜び、
その身上にあっては、<民主主義>という自立の意思など、<娯楽>程度の意識以上の必要性はなかった、
いつまで眺め続けていても見飽きない、
むしろ、更なる被虐を露わとさせる姿態に晒されることを望ませる、
<美しい国 日本>であったのである、



そのときだった、
眺めていた窓ガラスの前へ、分厚いカーテンが引かれた、
見上げれば、母が今まで見たこともない険しい顔立ちでこちらを見つめていた、言葉は一切なかったが、
このようなものは、あなたが見るものではありませんと言われているようだった、
そして、昼寝から目覚めたように思い出されるが、その記憶は定かではなかった、
それは、まるで、夢のような出来事であったが、
<類稀なる絶世の美女>を見初めたという深く刻まれた像は確かにあったことだった、
何故ならば、それ以来、<類稀なる絶世の美女>を追い求めることがみずからの存在理由となったからである、
<美しい国 日本>とは、全裸の緊縛美の姿態が意義されることでしかなかったからである。


(2016年5月1日 脱稿)




☆13.縄による緊縛という結びの思想・四十八手 (23)

☆13.縄による緊縛という結びの思想・四十八手 (21)

☆縄による日本の緊縛