13.縄による緊縛という結びの思想・四十八手 (18) 道徳の処罰 ―縄の縛めに結ばれ合う母と娘― 借金返済で弁護士に相談



縄による緊縛という結びの思想・四十八手

(18) 道徳の処罰 ― 縄の縛めに結ばれ合う母と娘 ―



恵美子は、気が付いたとき、寝室のベッドの上に、一糸も着けない全裸の姿にあった、
縄による緊縛の自慰行為を行っていたことは、
手に握り締めている麻縄と身体のまわりに散乱する麻縄があることから察せられるのだった、
行為の最中に、昼間の労働の疲労から、寝入ってしまったに違いなかった、
気を取り直すつもりで、ショーツ穿き、パジャマを着て、
キッチンへ行って咽喉の渇きを潤そうと廊下へ向かったときだった、
わずかに扉の開かれた、娘の自室の奥から、くぐもった小さな声音が聞こえてきたのである、
それは、あ〜ん、あ〜んという女の嬌声としか聞こえないものにあった、
恵美子は、娘の動向が気掛かりになるという母の思いから、
僅かに開かれた隙間から漏れている光の箇所を覗くのであった、
そして、見た室内の光景は、想像を絶するものにあったのだった。

日本民族における者がそれぞれの思考において、
民族の創始を起源とする、<縄>を綯っている、
民族史という歴史の全体から見れば、
創始以来の<一筋の縄>を総力で綯っているという状態にある、
日本民族に依って、<綯われる一筋の縄>というありようである。
この<綯われる一筋の縄>という考え方は、
日本民族における者にあって、日本民族には、民族の創始より、
<連続した思考>にあることがその存在理由をあらわすものとしてある、
という見方に依るものである。
従って、<連続した思考>の認識においては、必然的に、
創始以来の歴史の維持・継承者にあることが示されることになる。
ここで、民族の創始と言っていることは、
その民族が現在にあっても、創始の時期に誕生させ育んだ、
<思考方法>を用いているという実際があることから規定されることで、
それを、<縄文時代>を民族の創始とすることができるのは、
<一万三千五百年の縄の執着>による、
<結びの思想>の誕生と育成があることによる。
その<結びの思想>とは、
<異化・変化・昇華>という<思考作用>を行うことである。
<綯われる一筋の縄>とは、
<異化・変化・昇華>という<思考作用>を行うことにある。
<異化・変化・昇華>という<思考作用>にあることは、
知覚・意識・認識の問題にあることであって、
何らかの政治的意義に根拠を置いていることにはない、
または、何らかの宗教的意義に根拠を置いていることでもない、
或いは、何らかの因習的意義に根拠を置いていることにもないことは、
<連続した思考>にあるという状態を作り出させる。
<連続した思考>が生存の実際において活動することは、
そこから派生していく事柄は、
日本民族における者がそれぞれの思考において、
展開していく表現となることにある、
この<展開していく表現>が<綯われる一筋の縄>の具現である。
何故、日本民族は、<一筋の縄>を総力で綯っているのだろうか、
当然に生じる疑問であるが、答えは、簡明である、
<人間の昇華のありよう>を体現する民族となるためである、
未だにそれが実現されていない状態にあるとしたら、
縄を綯い続ける以外にないというありようである。
<結びの思想>を誕生させた起源は、
その<連続した思考>を展開させるために始められたことにあって、
<一万三千五百年の縄の執着>に匹敵するほど、
そこから、三千年程度の時間に依って成し遂げられた事柄では、
<人間の昇華のありよう>の実現などおこがましいとさえ言えるのは、
現状に至って、ようやく、自立した民族のありようの考察が始まったことにある。
日本民族における者は、
<綯われる一筋の縄>という<連続した思考>にあることで、
確立した主体性を持って存在していることにあることは、
行われた事象を超克していく意思の示される表現に依って、
明らかとされることにあるからである。



その場所は、娘の香織の自室であるに違いなかった、
香織がそこにいたのであるから、間違いなかった、
だが、室内にあらわされる空間は、勉強部屋兼寝室の様相とはまったく異質のものにあった、
どのように言ったらよいものなのか、おぞましさが先立って、考えをまとめるのが困難だった、
部屋全体は、コンクリートの剥き出しの壁が四方を囲み、冷え冷えとしていた、
扉の正面にひとつだけ小さな窓があったが、窓には、頑丈な鉄格子が嵌っていた、
照明は、天井にある電球だけであったが、その天井には滑車がぶら下がっていて、
麻縄が床まで長々と垂れているのだった、
その麻縄の横には、木製の簡素な台に布団の敷かれた、ベッドが置かれていた、
香織は、身にまとうものひとつない、生まれたままの全裸にあった、
直立不動の姿勢を執らされていたが、愛くるしい顔立ちは、怯え切っていた、
その隣には、同じ全裸の姿にある、春樹が同じ姿勢を執らされていたが、
端正な顔付きには、こちらも怯え切った表情が漂っていた、
それは、少女と少年の前に立っている、四人の人物の威圧的な風采にあった、
旧帝国陸軍の軍服姿に長靴を履いた、同様の束髪の髪型をした女性たちであったが、
四人の手には、それぞれに、乗馬鞭、麻縄、手拭い、異様な道具が携えられていた、
その冷酷とも感じられる、厳しい顔立ちは、恐怖を呼び覚ますものでしかなかった、
これは、香織と春樹が取り調べに遭っている情景にあると言えば、一番正しいようだった、
そうだとしたら、何という残酷な扱われ方にあったことか、
「お前たちは、不埒で不道徳な行為に耽っていた罪で此処へ連行された、
これから、道徳の処罰を科されることになるが、それは、
男性の処罰は、陰茎が放出に至る最高潮を可能な限り行うことを強要されることであり、
女性の処罰は、膣からの愛液の放出がもたらす最高潮を可能な限り行うことにある、
最高潮は、ふたりが同時に到達するということでなくてはならない、
従って、歩調の乱れた最高潮が生じた場合は、回数には数えられない、
五回が最低回数であるから、その数へ至るまで、処罰は休みなく行われる、よろしいな」
乗馬鞭を手にしている、束髪の女性は、そのように述べたが、
全裸のふたりの背後へまわると、返事がないぞと叫びながら、
優美な尻を目掛けて、バシッ、バシッとそれぞれに一撃ずつの鞭を振るうのであった、
ああっと香織は、顔立ちを歪めて、くず折れそうになったが、涙目になることは避けられなかった、
春樹の方も、何とかこらえている表情だったが、ふたりとも、はいという返事をすることはできた、
「しっかり立っていろ、
今から、縄掛けを始める、両手を背中へまわせ」
麻縄を手にしている、束髪の女性は、そのように告げると、香織の背後へまわった、
少女と少年は、命じられるままに、おずおずと後ろ手にさせて、直立不動の姿勢を崩さなかった、
香織のほっそりとした両手首は重ねられて縛られると、残りの縄は、
身体の前へ持ってこられ、瑞々しく膨らんだ乳房の上部へ二重に巻き付けられて、
それから、乳房の下部へ巻き付けられ、背後へ戻された、双方の腋の下から、
胸縄の下部へ絡められてから、首筋の片側より前へ下ろされると、胸縄の下部へ掛けられて、
反対側の首筋より引き上げられ、背後で縄留めがされた、
このようにされたことで、愛らしい乳首を付けた、初々しい膨らみではあったが、
突き出させられるようにされたことは、淫欲をあらわしているようにも映るのであった、
縛者の女性は、今度は、春樹の背後に立つと、同様の縄掛けを施したが、
若さの漲る溌剌とした全裸であったが、膨らみのない胸部の淫欲があらわされない代わりに、
縄による緊縛の姿態へ置かれたことで、もたげている陰茎に示されているのであった、
手拭いを手にしている、束髪の女性は、被縛者のふたりに唇を大きく開かせ、
それぞれに、有無は絶対に言わせないとする、深く噛ませる猿轡を行うと、
「ベッドの上へあがれ、お前へこっちだ、お前はあっちだ」
と言いながら、乗馬鞭の女性と各々に縄尻を取って引き立て、
全裸の姿態の背をその方向へ小突くのであった、
香織と春樹は、簡易なベッドの布団の上へ、向き合うように立たせられ、
それから、跪くようにさせられ、互いの身体が密着するところまでにじり寄らされた、
「これから、ふたりは、一心同体の苦行を行う訳だ、
お互いに相手を信頼しているという証拠に、口付けをして見せろ」
被縛者の間近に立った、異様な道具を手にしている、束髪の女性が命じた、
香織も、春樹も、手拭いの猿轡を噛まされた顔立ちに困惑の表情を浮かばせるだけで、
行おうとしなかったことは、乗馬鞭の女性を近付かせることになった、
少女と少年は、それが分かると、慌てて、互いの唇を寄せ合って触れさせるのだった、
僅かな唇を触れ合わせたことは、互いの思いに大きく火をつけたように、
ふたりは、いずれともなく、緊縛された裸身をもどかしそうに相手に密着させて、
独りでいるのではないという実感を確かめているようだった、
それは、いつまでもそうしていたいという若い恋人たちの思いを映し出させているものにあった、
「その辺でいいだろう、離れろ!」
異様な道具の女性がそのように言っても、若い恋人たちは離れなかった、
手拭いの女性と乗馬鞭の女性が無理やり引き離させた、それから、
手拭いの女性が香織の姿態を仰向けに寝かせると、乗馬鞭の女性が春樹の身体を同様にさせた、
香織のしなやかな両脚は、胡坐を組まされるように両足首を重ねられたが、
気落ちしている少女にあらがう様子はなく、すぐに、麻縄の女性の縄によって束ねられた、
同じ縄掛けが春樹にも施されたが、少年の方も、
逆らったところで良い結果はないと観念したように、されるがままであった、
その少年の束ねられた足首の縄には、天井の滑車から降りている縄が結ばれて、
胡坐に組まされたしなやかな両脚が引き上げられたことは、股間を剥き出しとされた状態を作らせた、
そして、異様な道具の女性がその手にしている異様な道具を掲げて見せるのだった、
それは、双方に陰茎を持った、肌色の色艶をしている、太くて長い、双頭の張形と呼ばれるものだった、
中央からコードが伸びていたことは、電動式の性具にあるものであった、
異様な道具の女性は、ポケットから取り出したローションを一方の擬似陰茎に振り掛けて、
てらてらと光り輝くまでに塗りたくると、春樹の股間の前まで進んだ、
それから、掌へしずくとさせたローションを肛門へ塗りたくり、柔らかさを帯びるまで揉んだり、
指先を肛門の中へ挿入させたりして、具合を確認すると、張形の矛先をあてがうのだった、
最初に含み込まされた衝撃は、ううっというくぐもらせた叫び声を上げさせ、下半身の硬直を招いたが、
丁寧にゆっくりと行われる挿入は、双頭の張形の三分の一を呑み込ませる結果を得た、
その感触がもたらしていることは、もたげていた少年の陰茎が反り上がったことで示されていた、
春樹の両脚を吊り上げている縄を持っていた手拭いの女性から縄尻を手渡された、
麻縄の女性は、それを香織の束ねられている足首の縄へ結び付けた、これに依って、
天井の滑車を振り分けて下りている縄が被縛者の双方の両脚を高々と持ち上げる格好とさせた、
香織の胡坐に組まされたしなやかな両脚が吊り上げられ、股間を剥き出しとされたことは、
異様な道具の女性がその状態をつぶさに確認できることにあった、
花びらは開き加減で、膣口は、うっすらと愛液を滲ませていたが、
擬似陰茎には、たっぷりとローションが塗りたくられ、
女芽にも、膣口にも、肛門にさえ愛撫するような執拗さで塗布されたことは、
少女の猿轡の口から、ああっ、ああっというくぐもらせた甘い声音を漏らさせることになった、
手拭いの女性と乗馬鞭の女性に両脇を支えられるようにされた、香織は、距離を調節されながら、
双頭の張形へ近付けさせられると、あてがわれた張形の矛先を押し込まれた、
ううっ、ううっと声音を上げ、下半身に硬直を露わとさせたが、
吸引と収縮の豊かさをあらわすように、三分の一は、難なく含み込まれていくのであった、
それには驚かされたように、束髪の女性たちは、互いに顔を見合わせていた、
肌色をした一本の太くて長い張形がふたつの穴へ収まった状態にあったが、
すぐに、スイッチが入れられ、電動性具の動作が始められるのだった、
微かな振動音を響かせながら、ゆっくりとうねりくねりするありさまは、微かなというようなものではなく、
人間では行うことの到底不可能なうごめきと抜き差しを繰り返すものにあるのであった、
穴の内部を掻きまわされる効果が結果をもたらしていることは、歴然としていた、
香織は、ああっ、ああっ、ああっと声音を上げながら、
両脚を胡坐に組まされた、緊縛の裸身を可能な限りにのけぞらせて、
擬似陰茎がうごめくのに合わせて、膣口から愛液をあふれ出させるありさまをあからさまとさせていた、
春樹の方も、ううっ、ううっ、ううっとうめき声を上げながら、
両脚を胡坐に組まされた、緊縛の裸身をできるだけ突っ張らせて、
含まされた擬似陰茎がうごめく度に、肛門から汁をあふれ出させるありさまを露骨とさせていた、
四人の軍服姿に長靴を履いた束髪の女性たちは、
簡易ベッドの両側に立ち尽くして視線を投げ掛けていたが、
「見てみろ、男性の方は、もう、行きそうな気配だな」
とひとりが言うと、ほっそりとした指のさされた、陰茎は、亀頭を剥き晒して赤々と反り上がり、
口先からは、長々と糸を引く銀のしずくを滲ませているのが確認できるのであった、
「早過ぎるんじゃないか、まだ、始まったばかりだ」
その言葉を打ち消すように、少年の腰付きは、びくんと大きな痙攣をあらわすと、
白濁とした液をぴゅっ、ぴゅっと飛び散らせ始めたのであった、
束髪の女性のひとりが用意してあった濡れタオルを慌てて持ってきて、
「男性の方だけいい思いをして、女性の方は、置いてけぼりか、
性行為において、男女の差異はなく、平等の立場にあるということも言葉面だけのことかな」
と言いながら、身体へ撒き散らされた精液と陰茎を丁寧に清掃するのであった、
少女の方は、含み込まされた擬似陰茎のうねりくねりに高ぶらされ、押し上げられていたことは、
みずからに集中されられるばかりで、他者の行為や言葉などに関心を払える余裕などなく、
猿轡を噛ませさせられた顔立ちをやるせなさそうに右に左に振って、
込み上がってくる快感をああん、ああん、ああんという甘美な泣き声であらわしていた、
そして、太腿の付け根をぶるぶると震わせたかと思うと、
びくんとした大きな硬直を示して、昇り詰めていくのだった、
両脚を胡坐に組まされた、桜色に染まった、緊縛の裸身は、
優美な腰付きをびくん、びくんと痙攣させる状態にあったが、
それが落ち着く場所ではなかったことは、
膣と肛門に挿入されている、双頭の張形が引き抜かれることはなかったことで示された、
「初回でさえも、同時に成し遂げることのできない、このふたりでは、
本日の道徳の処罰は、完了までに相当の時間が掛かるということを覚悟しなければならない」
束髪の女性のひとりがそのように言うと、残りの女性たちは、頷くのだった、
肌色の擬似陰茎は、微かな振動音を響かせながら、
無感動をあらわす繰り返しのゆっくりとしたうねりくねりをあらわしていたが、
気持ち良さの最高潮へ到達して、その余韻に喜びの幸せの安堵を感じる暇も与えられず、
すぐさま、次の最高潮へ向かわされる、被縛者たちのまなざしは、
虚脱させられたような情感を漂わせていたが、今や、見開かされたように目覚めさせられていた、
快感の絶頂目指しての山登りを開始させられたことだった、
ギリシャ神話の挿話のひとつを思い出させる状況にあると感じさせられることだった、
シーシュポスは、大きな岩を急な丘の頂きまで押し上げる刑罰を科されていた、
ようやく、岩を頂き近くまでもっていっても、今度は、岩の自重でもとの場所へ転がり落ちてしまう、
それを最初からまたやり直すという無益で希望のない労働を果てしなく行うということにあった、
性行為は、無益で希望のない労働にあることなのだろうか、
それは、膣と陰茎が結ばれる、正常な男女間の行為にあれば、
もたらされる快感の絶頂は、満足のいかないことであったとしても、
生産性をあらわす有益にある、何度でも繰り返し行うことを求めさせる、種族保存維持の希望がある、
従って、快感の絶頂が満足のいくものとなるという方法を精進すれば、遣り甲斐のある労働である、
だが、女性の膣と男性の肛門が双頭の張形で結ばれることでもたらされる、
快感の絶頂は、正常ではなく、生産性をあらわさない、
固有にある人間の感覚と心理において、見い出されるものがあるという労働でしかない、
道徳とは、「人々が、善悪をわきまえて正しい行為をなすために、守り従わねばならない規範の総体。
外面的・物理的強制を伴う法律と異なり、
自発的に正しい行為へと促す内面的原理として働く。(大辞泉)」とある、
男性の処罰は、陰茎が放出に至る最高潮を可能な限り行うことを強要されることであり、
女性の処罰は、膣からの愛液の放出がもたらす最高潮を可能な限り行うことにある、
最高潮は、ふたりが同時に到達するということでなくてはならない、とされる道徳の処罰は、
守り従わねばならない規範を固有にある人間の感覚と心理において見い出すということにおいて、
如何に示される規範にあるかという問題に善悪の判断は依存することが示唆される、
日本国家の教育勅語、修身、道徳と称されるものが如何なるものにあるかは、
十五歳の少女と少年が科される処罰の意義と同様に考察を促されるものにあると言える、
簡易な木製のベッドへ仰臥させられている、香織と春樹であった、
少女は、生まれたままの全裸の姿態にあって、背後とされた両手首を縛られ、
愛らしい乳首を付けて瑞々しいふくらみをあらわす、ふたつの乳房を上下から挟まれた胸縄を施され、
ほっそりとした首筋へ左右に振り分けられた首縄が縦に下ろされて、
胸縄へ絡められていたことは、乳房が突き出させられる格好とされていることにあった、
しなやかな両脚を胡坐をかくように両足首を交錯させられて縛られ、
天井の滑車から下りる縄で引き上げられていたことは、
股間を剥き晒しとさせて、女性の羞恥のありようをありのままに確認させる姿態があらわされていた、
その天井の滑車から下りる縄の反対側には、
平等が示されるように、少年が全裸の姿にあって、同様の仕方の縄掛けが施されていたことは、
少年の股間の箇所も剥き晒しの羞恥をあからさまとさせていることにあった、
ふたりは、互いに、頭を正反対の位置に置いて仰臥させられていたことは、
密着するまでに近付けられていた互いの股間は、香織の膣と春樹の肛門の双方へ、
肌色をした双頭の張形が深々と挿入されているありさまを如実とさせていることにあった、
このような状態に置かれて、有無を言うことなど論外とされる、
厳重な手拭いの猿轡を噛ませられていたことは、
ふたりの虚空の一点を凝視するまなざしに、成されるがままに置かれる、絶望の色が滲んでいた、
擬似陰茎は、微かな振動音を響かせながら、ゆっくりとうねりくねりするありさまをあらわしていたが、
香織の膣口にも、春樹の肛門にも、当人たちの思いに関わりなく、
滲ませるしずくと汁が示されていたことは、立ち尽くした姿勢でその箇所を眺めやる、
四人の軍服を身に着けた束髪の女性たちを頷かせるものがあるだけのことであった、
「若いから回復も早い、
最初に最高潮を極めてから、時間はそれほど経過していないが、
すでに、ふたりとも、二回目へ向かおうとしている」
束髪の女性のひとりは、そのように言いながら、もうひとりの女性へ促すと、
簡易ベッドの左右から、香織の緊縛の裸身へまとわりつくのだった、
残るふたりも、同様にして、春樹の左右へ位置を定めていた、
「最初の最高潮は、男性が先に到達してしまい、一回の完了を失敗している、
今度は、我々の補助で、ふたりを同時に到達させよう」
その言葉を合図として、まとわりついた女性たちの所作が始まるのだった、
少女の瑞々しい乳房に付いた愛らしい乳首は、女性のほっそりとした指先で摘まれると、
優しく柔らかくこねられ始めたが、すでに、欲情をあらわして強張っている鋭敏は、
もう片方の乳首に唇を当てられ頬張られたことに依って、
膣に含み込まされている擬似陰茎のうねりくねりを激しく意識させられたかのように、
ううっ、ううっ、ううっ、と猿轡の口からくぐもらせた声音をもらさせて、
腰付きをひねらせたり、ねじらせたりを開始させるのであった、
一方の束髪の女性は、反り上がりの貧弱な陰茎のありさまをしげしげと眺めながら、
「女性に比べて、今回は、後手にまわっている感がある、
少しピッチを上げさせないと、遅れてしまうかも知れない」
そのように評価すると、片方の手で陰茎の根本をしっかりと掴んで、
もう片方の掌は、その先端を柔らかく優しく撫で擦るのであった、そのリズムに合わせるように、
まとわりついていた、もうひとりの女性が可愛らしい乳首へ唇を寄せて頬張り、
舌先をうねりくねりさせる愛撫を行いながら、片手は、もうひとつの乳首をこねりまわしているのだった、
少年は、込み上げさせられる快感に煽られて、
肛門に含み込まされている擬似陰茎のうねりくねりを激しく意識させられると、
ううっ、ううっ、ううっ、と猿轡の口からくぐもらせた声音をもらさせながら、
腰付きをひねったり、ねじったりを始めさせられるのであった、
香織は、右に左にお下げ髪を打ち振るい、ああっ〜、ああっ〜と甘い泣き声を上げながら、
胡坐に組まされて仰臥させられた緊縛の裸身を精一杯突っ張らせ、
身体全体から汗を噴き出させて、押し上げられる山登りを懸命に行っている状態にあった、
「女性の方は、間もなく、行きそうだ」
亀頭をこねりまわし、陰茎を千摺りしていた、束髪の女性は、
その真っ赤な先端からきらめくしずくが長い糸を引いて落ちるを見つめながら、
春樹が胡坐に組まされて仰臥させられた緊縛の裸身を精一杯突っ張らせて、
紅潮させた身体全体から汗をしたたらせている必死のありさまを確認すると、
「男性の方も大丈夫、同時に行ける」
と呼応する言葉を合図にして、少女と少年にまとわりついた、四人の女性は、
最高潮へ押し上げるために、激しさと勢いを増した愛撫を加えていくのであった、
香織は、あっ、あっ、ああっ〜んとくぐもらせた叫び声を上げると、
縄で緊縛された裸身をびくんと痙攣させていた、
双方の太腿の付け根から激しく込み上がる快感の波のうねりに押されるように、
腰付きを大きく悶えさせながら、びくん、びくんと痙攣をあらわし続けるのであった、
春樹の方も、ああっ、ああっ、ああっとくぐもらせた叫び声を上げると、同時に
前後へしごかれていた、陰茎から見事に白濁とした液の噴出を成し遂げるのだった、
ふたりは、最高潮へ至った快感の絶頂にあって、
膣と肛門に挿入されたままの双頭の張形の機械的で無感動なうねりくねりに依って、
腰付きを痙攣させ続けているありさまにあった、
静まり返ったような室内ではあったが、擬似陰茎の振動音が聞こえ続けていることは、
それは、終わりではなく、始まりであるであるということを明白に伝えていることにあるのだった、
「まずは、初回の完了ということだ」
束髪の女性は、手にしている濡れたタオルを準備していますといった具合に弄びながら、
そのように言うと、身体へ飛び散らせた精液を拭い、しなだれた陰茎を綺麗に清掃して、
次の準備に入るのであった、
そのとき、束髪の女性のひとりが話しながら気が付いた、
「ところで、茶髪の美しい長官は、そろそろ、お出ましになるのだろうか、
あれっ! 扉がきちんと閉められていないぞ! 誰だ、忘れた者は!
部外者には禁じられている執行だ、見られたら、それこそ大変!」
そのように言うと、軍服に長靴を履いた、その女性は、扉口の方へ慌てて走って来るのだった、
覗いていた恵美子は、美しい茶髪を揺らしながら、
いったいどうしたものかとおろおろするばかりだった。

そのとき、聞こえてきた声だった。
「ママ、いつまでも寝ていると、行くのが遅れるわよ、早く起きて」
扉をノックされる音と同時に、香織の優しい声音が聞こえてきたのである。
その日は、娘の要望で、親子が連れ立って、廃屋の一軒家へ出掛ける日にあった。
朝の陽射しのまぶしさを感じながら、恵美子は、布団を剥いで、ベッドを出るのだった。
朝食の食卓で、香織が微笑を浮かべながら、次のように言ったことは、恵美子にとって、
不安な胸騒ぎと胸高鳴る期待の入り混じった、不可思議な思いを感じさせられることにあった。
「将来のママを見せると言ったことを覚えているわよね、
楽しみにしていてね、きっと、びっくりするから、
行くための車も予約してあるのよ、きちんとしているでしょう」
二十歳の香織は、しっかりとした態度をあらわすのであった。

マンションの前へ待機していた、黒塗りの大型車は、恵美子と香織が近付くと扉をおもむろに開いた、
ふたりが乗り込むと、扉が閉められ、発進した、
隣り合わせに座った恵美子と香織であったが、走り出して間もなく、娘の方から切り出すのであった、
「ママ、あなたは、女性は、優れた存在にある男性の支配を望んでいるものであって、
その支配に依って、みずからも優れた存在に引き上げられることにあると本気で考えているの?
どうなの?」
問われた恵美子は、質問の意味が分からないというように、小首を傾げていた、
返事のない母に対して、娘は、真顔の表情を浮かばせながら、続けるのだった、
「私の言っていることが分からないということはないはずだわ、
いいわ、ママが正直に答えないというのなら……
では、こういうものを見せても、ママは、意味が分からないという素振りをするのかしら?」
そのように言いながら、香織が眼の前へ掲げて見せたのは、灰色をした使い古した麻縄だった、
恵美子は、大きな両眼を更に見開いて、唖然とさせられたように、
「香織ちゃん、どういうことなの?
何故、あなたが私にそのようなものを見せるの?」
と答えていたが、娘は、愛らしい顔立ちを横に振りながら、
「自然の植物繊維から作られた麻縄の存在理由を私に説明させるの?
いいわ、私の言うことが間違っているかどうか、よく聞いてね、
あなたにとって、麻縄とは、あなたが縛られるために存在するという意味でしかないはずのもの、
縄を見せられれば、あなたは、素直に、従順に、その支配を受けるということを本分として、
身に着けているもの一切を取り去って、全裸となり、打たれる縄を衣装とすることができるというもの、
縄の美しく強靭で柔軟性に富んだありようは、あなたが憧憬する男性そのものにあることであれば、
あなたは、女性は、優れた存在にある縄という男性の支配を望んでいるものであって、
その支配に依って、みずからも優れた存在に引き上げられることにあると本気で考えている、
そうなんでしょう? 縄奴隷の女、それとも、緊縛美の夫人、或いは、愛縛の聖母かしら?」
恵美子は、言われるままに、真剣な表情になって、相手をじっと見つめるばかりにあった、
「返答がないということは、文句はないということね、
それでは、今から、私があなたを支配する縄の縛者になることにも異存はないわよね、
私は、働く自立する女性として、子育てをする女性として、女を表現できる女性として、
ママを尊敬しています、ママのことを愛しています、
私も、ママのような女性になりたいと思っています、
だから、私は、あなたに心を込めた縄掛けを行います、
あなたが更に光り輝く魅力に満ちた女性をあらわすように懸命の努力をします、
さあ、身に着けているもの一切を取り去って、全裸になってください」
香織は、母をしっかりと見つめながら、そのように言うのだった、
恵美子は、しばらく考え込んでから、大きく頷くと、落ち着いた声音で答えた、
「覚悟しなければならないときが来たということですね、
香織さん、あなたが自立した女性となったことを私は誇りに思います、
あなたの縄掛けで私を優れた存在に引き上げてください」
恵美子は、一念を発起した毅然とした表情をその美しい顔立ちに漂わせながら、
薄い藤色のスーツの上着を脱ぎ始めるのだった、スカートを下ろし、ブラウスを取り去ったときには、
人前で裸になることの羞恥から顔立ちを赤らめさせていた、
その様子を香織は微動だにせずに傍らで見つめ続けているのだった、
真紅のブラジャーを外すと、乳白色のふっくらとした隆起をあらわすふたつの乳房があらわれ、
薄紅色の乳首が可憐に映ったが、誘惑的な色香を放つ真紅のショーツに触れた指先は止まっていた、
躊躇が襲っていたことは、戸惑いと羞恥の影を帯びた憂いの表情となってあらわれていたが、
娘の意志をあらわすまなざしを知ると、思い至ったように、一気に優美な尻へずり下ろすのだった、
香織は、その脱ぎ去った真紅のショーツを母の手から奪い取ると、
悩ましい箇所が一層の悩ましさの蠱惑を漂わせる、
成熟した大人の色気のある股間の箇所を鼻に当て、
両眼を閉じさせて、深々と匂いを嗅ぐのであった、
「ああっ、ママの芳しい香りがする……」
と言いながら、
双方の艶やかな太腿を閉じ合わさせて隠させている、相手のその箇所を見つめるのだった、
「股をもっと開いて! 香織に、ママの美しいところをもっと見せて!」
そのように命じられた、恵美子は、顔立ちを真っ赤とさせていたが、
言われるままに、左右の太腿をおずおずと開かせると、股間を露わとさせるのであった、
漆黒の陰毛をまったく奪われて、白い無垢のありようをふっくらとさせている、女の小丘は、
悩ましいばかりの女の亀裂を深々と覗かせていたことは、娘を感心させていた、
「綺麗だわ、とても綺麗、女の妖美とは、まさに、このことね、」
褒められる言葉に、恵美子は、羞恥と困惑を煽られたように、悩めるばかりの表情にあったが、
香織の落ち着いた言葉は、
「靴下も、靴も、ピアスも取り去って、文字通りの生まれたままの全裸の姿になってね、
全裸にあることが縄の一番良く似合う姿であることは、ママが最も理解していることでしょう」
と示されるだけだった、
母は、娘に指図されるままに、身に着けている残りを脱ぎ去って、全裸となるのだった、
だが、高ぶらされる羞恥の思いは、思わず、両腿を閉じ合わさせて、
両手は、乳房と股間を隠させる仕草を執らせていた、
「そのような優美で魅力的な姿態を隠させるなんて、無粋極まりないことよ、
ママは、見られることで、更に、美しい女性をあらわす存在のはずよ、
さあ、両手を背中へまわして、縛るから……」
香織の冷静な言葉が車内へ響き渡るのであった、
羞恥で顔立ちを真っ赤にのぼせ上がらせている、恵美子は、
そろそろと両腕を後ろ手にさせていった、
香織は、その華奢な両手首を重ね合わさせると、手際よく縄を巻き付けて、縛り上げるのだった。
「これで、ママは、自立した女性をあらわす姿となりました」
後ろ手に縛った縄尻をしっかりと握り締めて、相手の美しい顔立ちの前へ掲げるようにして、
それを見せ付けながら、香織が思い勇んだ口調で述べたことだった。
生まれたままの全裸にあって、両手の自由を奪われるという緊縛の施されたことに依って、
羞恥と困惑の思いを一気に狼狽へ至らせられた、恵美子は、
茶色の美しい髪を垂らさせて、顔立ちを俯き加減とさせながら、寡黙へ没頭するばかりにあるのだった、
香織は、その母の綺麗な両眼を覆うための手拭いの目隠しをしながら、
「分かっているかしら、
あなたは、全裸にされて、縄で縛られる理由があるのよ、
それは、あなたが赤ちゃんを身籠っている身体にあるからよ」
と独り言のように呟いていたが、
全裸で縛られた身上に没頭する、恵美子には、まるで聞こえていないという様子だった、
やがて、黒塗りの大型車が目的地へ到着したことが完全停車したことで知らされた。




(2015年11月15日 脱稿)




☆13.縄による緊縛という結びの思想・四十八手 (19)

☆13.縄による緊縛という結びの思想・四十八手 (17)

☆縄による日本の緊縛