般若の思想 ―礼・節・法の官能― <瞑想> 借金返済で弁護士に相談






<瞑想>



白い柔肌を絡めるように施された、綾なす菱形の紋様も鮮やかな縄による緊縛は、
可憐な乳首を立たせた、ふたつのふっくらとした乳房を縄で囲むようにして際立たせ、
愛らしい臍を際立たせ、漆黒の色艶を帯びた陰毛が隠させる、
柔和な女の小丘に覗かせる割れめを分け入って食い込まされた箇所を麻縄が際立たせていたことは、
女性の官能がかもしださせる、匂い立つような妖美を漂わせることにありました、
柔肌を圧迫される菱形の紋様の縄掛けに官能を高ぶらされ続けていたことは、
股間にはめ込まれた股縄が上半身の上気に伴って食い込むようになっていることで示されていました、
女芽と膣口と肛門は、鋭敏な刺激を与え続けられることにあったのでした、
礼・節・法の三人の女性は、その緊縛姿を後ろ手に縛られた縄で<じゅずつなぎ>とされていたばかりか、
智慧の晒し柱と称される白木の柱の三本へ、直立した姿勢でそれぞれに括り付けられた縄においても、
ふた筋とされた一本の麻縄によって行われていたことは、
新たな<じゅずつなぎ>の縄を掛けられた、一蓮托生をあらわすありようが示されたということにありました、
礼とは、社会の秩序を保ち、他人との交際をまっとうするために、人として行うべき作法のことにあります、
節とは、言行などが度を超さず、適度としてあるふるまいのことにあります、
法とは、物事に秩序を与えているもの、法則、真理、根本的な規範のことにあります、
礼・節・法の一蓮托生とは、新たな<じゅずつなぎ>の三位一体をあらわすことにおいては、
智慧の晒し柱に生まれたままの全裸を縄で緊縛された姿態をさらけ出させる、三人の女性にとって、
そのありようは、矜持の思いに置かれたことであり、
羞恥や屈辱や恥辱などは、超えられた思いにあったことでした、
何故ならば、あらわれた<導師様>がおっしゃられた事柄に依って、
一蓮托生の目的を把握したことにあったからです、それは、
<民族の予定調和>へ向かって<縛って繋ぐ力による色の道>を進む意志を抱かせたからです、
≪みずからが存立するまわりを取り巻くすべての対象に対して神を認識できるというありよう、
これは、<八百万の神>と称される、日本民族固有の事情としての宗教性にあることである、
日本人は、この認識において、老若男女、十人十色、千差万別という多種・多様・多義にあって、
すべての者が<八百万の神>を<神的存在>とすることで、平等な人間としてあり得ることにある≫
という共存の認識にあって可能となる、宇宙と自然と人間の認識の覚醒です、
日本人・日本民族にあることの意義の覚醒です、
目と歯に鍍金のはめられた、二本の角をもつ、恐ろしい鬼女の顔立ちをした般若の面を被る、
礼・節・法の三人の女性は、民族の意志を貫く、時間と空間を超越する意義の存在を自覚したことでした、
瞑想は、そのように教えることにあったのでした。

日本列島に居住を始めた民族の創生にあたる、最初の人々は、
将来実現されるありようが何であるかを知る由にはありませんでした、
ただ、彼らは、一匹の雌に二匹の雄が絡んで行われる、蛇の交尾を見て閃いたことから、
縄というものを作り出したことで始められた起源という存在をあらわしていました、
蛇の交尾は、雌と雄のふたつがひとつに絡まり合って、場合によっては
雌雄とも交尾器が左右一対あるために、雌一匹に対して、雄が二匹で交わるという、
乱交さえもあることで、長いときは、交尾の状態が何日も続くというものにあります、
ひねられ、ねじられ、よじられて、撚り合わされるありさまがあらわす、生存の生々しい強靭さは、
雄の精子が雌の体内で二、三年は生きていることにも示されます、
生存と生殖と子孫の繁栄があらわされることは、蛇信仰へ導かれることにありました、
信仰する蛇を模するために、縄を綯うということを作り出したことは、
今度は、縄があらわす意義を感得させられるありようがもたらされたことでした、
縄をじっと見つめてみると、おのずと気付かされることは、
   複数の筋が撚り合わされて織り成された螺旋の形状には、
見つめていて見飽きない、力動感・不可思議・美しさが感じられることです、
縄が直線の形状をしていながら、ねじれているという形態をあらわしていることからは、
力動感は、それ自身が大地から動き出して、天に向かって這い登るさまであり、
不可思議は、そのねじれが留まるところを知らない永遠を髣髴とさせるさまであり、
美しさは、くねらせる姿態の柔軟で艶かしい妖美をあらわすさまにあって、
縄が女性という大地から男性という天へ繋がるものであることをあらわすと言えます、
それこそは、女性という陰と男性という陽のひねられ、ねじられ、よじり合わされる、
交接の姿を実感させることにあります、
交接が出産を導くものであることは、縄は、生み出すものをあらわします、
縄に対して、神的存在と森羅万象の生成を見ることは、自然のありようでした、
日本人・日本民族にあっての縄とは、それがそこにあるというだけで、
森羅万象の生成と流動が宇宙をあらわすありようを感じ取ることのできるものにあるのです、
これが<民族の予定調和>へ至るための起源としてあった、覚醒でした、
この覚醒の起源において、<民族の予定調和>へ到達するまでは、
すべては、生成と流動という過程の事象に過ぎないことにある、
それは、<縛って繋ぐ力による色の道>を進む道程があらわされているに過ぎないことにある、
このような認識のもたらされたことにありました。

或る夫婦の寝室を覗くことができて、
次のような光景を眼にすることがあったとしても、 夫婦生活においては、
夫がみずから綯った縄で妻を縛り上げて交接するというありようは、
民族の創生にあたる最初の人々が見い出した縄の意義に目覚める者にあれば、
異常にあることでも、異端にあることでも、変態にあることでもありませんでした、
ただ、その行為は、夫婦の秘め事として行われることにある以上、
公然とされるようなものではないというだけのことにありました、
子供が寝静まった深夜、夫婦の寝室では、夫の欲望は、たぎっていました、
愛する妻に対して、どのように愛を伝えることが最上であるか、言うまでもなく、
それをあらわすには、妻が望むこと、縄による緊縛を施すこと以外にはあり得ませんでした、
ダブルベッドの上で、ネグリジェ姿にある妻は、しなやかな身体付きを正座させた姿勢で、
両手を膝の上に置き、波打つ艶やかな黒髪に縁取られた美しい顔立ちをもたげさせていました、
その大きな瞳のまなざしは、彼方を見つめている素振りにありましたが、
結ばれた綺麗な形の唇には、これから行われようとすることへの期待が滲んでいるのでした、
トランクスひとつだけの裸姿にある、夫は、妻の前へ仁王立ちになり、
手に携えている麻縄の束を見せ付けるように垂らさせました、
妻は、おもむろに、顔立ちを眼の前へ垂れ下がっている縄の方へ向けました、
まなざしを凝らすと、夫の手に幾重にも巻き付いた蛇を思わせる麻縄が伝えてくる生々しさは、
それまで、夫を迎える期待の緊張に抑えられていた官能を一気に高ぶらされることにありました、
妻は、思わず、その生々しさの感触を確かめるように、指先を縄に触れさせました、
それから、顔立ちを上げて、みずからを見つめる夫の顔付きを見やりました、
夫は、凛々しいくらの真剣な表情を浮かべて、こちらを見つめています、
妻は、うなずくと、その指先は、身に着けていたネグリジェのホックを外し始めていました、
なよやかな両肩を剥き出させながら、すっかり脱ぎ去るのでした、
パンティひとつの上半身を露わとさせた、妻は、更に、横座りの姿勢になると、
肉体を隠す最後の衣装を取り去って、生まれたままの全裸の姿態を露わとさせました、
それから、再び、白いシーツの上へ正座の姿勢を執ると、
眼の前に垂れ下がる縄へ、祈願をあらわすような素振りで、両眼を閉じ合わさせて、
両手をそろそろと背後へまわさせるのでした、
妻のほっそりとした両手首がみずからの意思で重ね合わされるのを確認した、夫は、
ベッドへ上がり、相手の背後へまわると、寡黙になって成されることを待つ華奢な両手首を掴み、
麻縄を巻き付け始めました、後ろ手に縛った縄は、すぐさま、身体の前へ持ってこられ、
可憐な乳首をつけて綺麗な隆起をあらわすふたつの乳房の上部へ掛けられました、
背後へ戻されると、再び、同じことが繰り返されて、背中で縄留めがされました、
自由を奪われる手首の拘束感、それを確かなものとさせる両腕と胸部への圧迫感、
全裸の姿態を正座の姿勢とさせた、妻は、顔立ちをしっかりともたげて、
虚空の一点を凝視するまなざしとしっかりと結ばれている唇には、
その拘束感や圧迫感としっかりと向き合っているという様子が窺えることにありました、
夫は、更なる縄を背中で結ぶと、今度は、ふたつの乳房の下部へふた巻きしました、
それから、一度背中で縄留めされた縄は、腋の下から上下の胸縄へ絡められ、
左右にそれぞれに行われたことは、上下の胸縄の柔肌への密着度を増させることにあって、
それを感受する妻の綺麗な唇を開かせていくことにあるのでした、
三番目の麻縄が用意され、縄頭が背中で結ばれ、二筋とされた縄は、
ほっそりとした首筋の左右へ振り分けられて身体の前へ下ろされると、
ふたつの乳房の間になる上部の胸縄へひとつにまとめられて絡められました、
それから、締め上げるようにして下部の胸縄へ巻き付けられてから、
再び、ふた筋に分けられて、左右から背後へまわされました、
腰付きの辺りで左右からの縄が交錯され、二度巻き付けられた縄は、
くびれが際立つように締め込まれると、背後へ戻されて、左右をひとつに縄留めされました、
ふたつの綺麗な乳房が突き出すような格好にされたことは、
縄の緊縛による拘束感と圧迫感に封じ込められたという妻の思いを高ぶらさせていたことは、
可憐なふたつの乳首がしこっている様子にありありとあらわされていました、
官能を高ぶらせている妻の反応を感じ取った、夫は、
縄で縛り上げられて、このような敏感な反応をあらわす妻の裸身を見つめやりました、
生まれたままの全裸をあらわす、優美な曲線の示す、純白の柔肌にある女の妖艶な姿態、
その妖艶を妖美にまで高ぶらせる、縄掛けが綾なす艶麗な縄の意匠、それは、
全裸にある女性が縄による緊縛を施された美を感得できる以外の何ものでもありませんでした、
波打つ黒髪に縁取られた顔立ちを見やれば、
妻は、高ぶらされる快感から、すでに、うっとりとなっている、美しい表情さえ窺えることにありました、
夫にあっても、トランクスを突き上げて、反り上がらせている官能は、痛いくらいのものがありました、
もどかしいというばかりに、夫は、トランクスを脱ぎ去って、妻と同様の全裸の姿態となりました、
陰茎は、見事に反り上がったありさまにあって、堂々としていました、
妻のまなざしも、思わず、てらてらと輝く剥き晒しの美しさに感動する凝視を投げ掛けていました、
夫がためらいもなく妻の顔立ちの前へ、陰茎の矛先を近付かせたことは、
すでに、半開きとなっていた妻の唇を更に大きく開かせるということでしかありませんでした、
頬張られた口内で、柔らかな舌先が思いの丈をあらわす熱心な愛撫として示されたことは、
夫にも、上下の胸縄で突き出すようにされた乳房へ、返礼となる愛撫が始められたことにありました、
夫婦が仲睦まじく互いを高めあう熱心さは、頬張る夫の陰茎の硬直にあらわされ、
正座の姿勢にあった妻の優美な腰付きをもどかしそうにうごめかせることに示されるのでした、
夫は、妻の乳房への指先の愛撫をやめると、
愛情あふれた唾液にまみれた陰茎を相手の口中から引き抜きました、
それから、相手の緊縛の裸身を優しくベッドへ仰臥させました、
長々と横たわった妻の下半身の方へ身を移すと、
羞恥を滲ませてぴたりと閉ざさせている艶かしい太腿の付け根にまなざしを投げました、
太腿の双方は、あふれ出せた女の花蜜でてらてらとした輝きをあらわして、
こんもりと茂らせた漆黒の陰毛さえもしなだれた様子を示していたことは、みずからの赤々とさせて、
矛先からは、銀のしずくが輝きながら糸を引いている様子と同調を感じさせるものにあるのでした、
波打つ艶やかな黒髪に縁取られた美しい顔立ちを紅潮させ、両眼を閉ざさせながら、
込み上がってくる度に、高ぶり広がる快感の疼きに集中しているという風情にあるのでした、
夫は、妻の華奢な両足首を両手で捉えて開脚させることに及びましたが、
うう〜ん、と緊縛された上半身に身悶えをあらわすだけで、されるがままにあるばかりでした、
されるがままにあることは、このようにされることだと言わんばかりの強引さで、
開かされたしなやかな両脚のひとつが膝を折られて立てさせられ、それは、すぐさま
取り上げられた新しい縄の一本をふた筋とさせた縄頭をあてがわれて、
太腿と脛を密着される、幾重にも巻き付けられる縄掛けが行われることにありました、
それは、もうひとつのしなやかな片脚にも同様に施されましたが、
妻は、両眼を閉ざさせたまま、顔立ちを更に上気させながら、
ああ〜、ああ〜という甘い声音をもらすばかりにあるのでした、
しかし、夫が両脚を各々に緊縛した縄尻をベッドの下方にある柱のそれぞれに繋ぎ、
可能な限りに双方の太腿を開かされた姿態となるように置かれたことは、
みずからも想像だにしなかった、強烈な羞恥に襲い掛かられたように、
波打つ艶やかな黒髪を右に左に悶えさせて、置き所のなさを露わとさせることにあるのでした、
優美なくびれをあらわす腰付きも、込み上がるばかりの快感の疼きに悶えていましたが、
こちらは、開脚を縛られて繋がれているために、繋がれた縄が張力をあらわすばかりにありました、
夫は、これ見よがしに開かれた妻の女性の箇所をしげしげと眺めました、
吹き出せた汗でしなだれた漆黒の繊毛に覆われた、
ふっくらとした女の小丘は、その下に、ぱっくりと開かれている割れめを露わとさせていましたが、
あふれ出せた女の花蜜で輝きを帯びている花層は、
膣口までもはっきりと開かせた状態にあることを見て取らせるものにありました、
膣口からは、ともどもなく、ぬめりがあふれ出しているさまは、泉を思わせるものがありました、
アングルの『泉』と題された、全裸の美女が肩に担いだ壷から清冽な水をあふれ出せる絵画のように、
女性のあらわす官能の美を間近とさせるものがありました、
妻は、高ぶらされる官能の快感に舞い上げられるように、
ああ〜、ああ〜、ああ〜という発情をあらわす甘美な鳴き声をもらし始めていましたが、
夫の方も、これ以上はないと感得させられる、妻の全裸の美しい緊縛姿には、
口先から銀のしずくが糸を引いて硬直をあらわす陰茎の矛先を誘われるばかりにあるのでした、
更に開いた状態にある膣口に求められるままに、妻の体内へ挿入を果たすのでした、
それから、ああ〜ん、ああ〜ん、と甘美な声音を張り上げて求める、妻の欲求に応じて、
懸命に抜き差しを繰り返したことは、緊縛された裸身を置き所なく激しく悶えさせることにありました、
ついには、あなた、来て〜 という叫び声にも似た嬌声が室内に響き渡ると、
夫も堪えるに堪えていた放出の限界にあって、
仲睦まじい夫婦は、一緒になって、快感の絶頂を極める天上へ至ったのでした、
夫は、深く挿入させたまま、妻の縄で緊縛された姿態を強く抱きしめて、
妻から求められる喜びの口づけを交わし合ったことは、絡ませられる互いの舌先の愛撫によって、
膣の収縮がもたらされ、再び、陰茎が硬直することへ導かれることにあるのでした、
縄によって緊縛されている官能は、燃え上がることを求めさせるばかりのことにありました、
縄は、夫婦の愛を結ばせる絆にあることを確認させる一夜にあったことでした。

縄による緊縛の性愛行為は、夫婦の秘め事として行われることにある以上、
公然とされるようなものではないということは、縄による緊縛の性愛行為が時代を積み重ね、
歴史のなかを脈々と受け継がれていくというありようにおいて、
民族の創生にある最初の人々が感得した宗教性を受け継ぐということでは、
秘儀と呼んで差し支えないことにありました、
<縛って繋ぐ力による色の道>は、秘儀があらわされるという意義にあることでした、
もとより、秘儀にあることが公然となることがあれば、
それは、秘儀が意義している事柄とは異なるものとしてあらわされることは、
秘儀は、それを共有する者を繋ぐ認識としてのみあることに依ります、
公然となるということは、公然を共有できる認識へ変えられるというありようにあるからです、
秘儀においては、共有する認識は、
全裸になり縄で縛り上げられた女性は、同じく全裸になった男性と交接する、
この行為において、高ぶらされる官能から、快感の絶頂へ至る思いは、
民族の創生にある最初の人々が認識した事柄と同様にある、
森羅万象の生成と流動が宇宙をあらわすありようを感じることのできる、人間にあるということです、
しかしながら、全裸になった女性を縄で縛り、交接を行うという行為は、
縄で縛り拘束して自由を奪うという現象からすれば、
男性の交接を強姦と見なすことは可能なことにあります、
そこから、公然となることにある、縄による緊縛の性愛行為は、
緊縛という虐待があらわされていることにあるという認識の共有が行われ、
そこに意義を見い出すとすれば、西洋の学術に示されている、
加虐・被虐の性愛行為である、サディズム・マゾヒズムの理解とされることへ落ち着くことにあります、
更には、サディズム・マゾヒズムの理解を基調とした表現が展開されることが常識を作り出します、
加虐・被虐をあらわす事象は、すべて、人間に備わるサディズム・マゾヒズムが根拠である、
この常識を共有するために、共有されるための表現が多種・多様に作られていくことにあるのです、
その供給は、需要する側における必然性があれば、相応の経済効果を生むことができます、
日本国家が敗戦・占領軍統治・天皇制の残存という状況に置かれたことは、
縄による緊縛というありようを支配者という縛者と被支配者という被縛者という相対において、
サディズム・マゾヒズムという西洋の学術の理解で受容した状況があらわされていることあって、
そこからは、縄による緊縛の性愛行為は、加虐・被虐をあらわす事象と見なされるだけにあれば、
サディズム・マゾヒズムの理解以上のものにはならず、
ましてや、民族の創生にある最初の人々が感得した宗教性などまったく見えないことにありますから、
神社で用いられている注連縄が縄をあらわしていることに気付きさえすれば、
縄の意義は、せいぜい、注連縄の意義と同様をあらわすと見なすことになるというだけです、
これは、西洋の学術に根拠を置いた概念の構築にあることです、
つまりは、縄による緊縛の概念の構築のひとつのありように過ぎないということにあります、
縄による緊縛が注連縄の意義をもたらす<神道>を根拠としているありようは、
注連縄が神聖なものと不浄との境を示して張る縄という意義にあれば、
縛られる被縛者の肉体における性的官能のありよう以前に、
サディズム・マゾヒズムと注連縄の並置は、相対・矛盾をあらわすものでしかありません、
それを見た目だけの同様から、注連縄と緊縛における縄を同一とすることは、
宗教性さえまったく見失った、皮相としか言えない理解でしかありません、
亡くなられた<あの方>が表現することを欲してかなわなかった、<般若の思想>とは、
このようなことであったと言えることにあります、
<般若の女>の存在理由は、<般若の思想>をあらわすという自己同一性において、
新たな展開を求められることにあるということでしかあり得ないことにあります、
それは、日本人・日本民族の歴史の維持・継承の展開があらわされるということです。

集落は、中央に円形の広場を作り出すように、ぐるりと取り囲まれて建てられていました、
その村の長が広場の中央に立って、長い白髭の顔付きに険しい表情を浮かべながら、
それぞれの家の前に立って、ぐるりと取り囲む村人たちへ語っていました、
「この者たちが犯した罪は、村の結束を乱したということで大変に大きい、
皆が同じ衣を着て、毎年変わらぬ行事を皆でして、皆で喜び合うことは、村の繁栄である、
それをみずからの身勝手で変わったことをすることは、村にとっての悪でしかない、
二度と起こらないために、おまえたちに分かってもらうために、こうして見せしめている」
そのように言われたものは、村の長の前に立つ三本の白木の柱でした、
その柱には、それぞれに、一糸も身に着けない全裸にある三人の女が括り付けられていました、
女たちは、全裸にあるばかりでなく、白い柔肌を絡めるように施された、
綾なす菱形の紋様も鮮やかな縄による緊縛の姿にありました、
しかも、その素顔を覆い隠すように、恐ろしい鬼女をあらわす面が被せられていたのです、
恐ろしい鬼女が犯した罪は、このように恥ずかしさもなく、
畜生をあらわす屈辱的なありさまにあって当然とされることが示されていたことでした、
村人たちは、そのありようを見て、みずからだけは、
このような姿にはなりたくないと震えおののく思いを感じざるを得ませんでした、
ただ、村人のなかにいた、ひとりの男は、そのようには、どうしても見えなかったのです、
さらけ出す、白い柔肌を絡めるように施された、綾なす菱形の紋様も鮮やかな縄による緊縛は、
可憐な乳首を立たせた、ふっくらとしたふたつの乳房を縄で囲むようにして際立たせ、
愛らしい臍を際立たせ、漆黒の色艶を帯びた陰毛が隠させる、
柔和な女の小丘に覗かせる割れめを分け入って食い込まされた箇所を麻縄が際立たせていたことは、
女の官能がかもしださせる匂い立つような妖美を漂わせることにあると感じさせられていたからです、
やがて、皆がひとつとなって行われた見せしめが終わると、男も家へ戻りました、
男は、まだ、独り者であったことは、女に対する興味も多感にありました、
その晩、寝付かれずにいたことは、どうしても、
あの恐ろしい鬼女をあらわす面を被った女たちがあらわした姿態が思い浮かぶのでした、
思い浮かぶばかりではありません、あの女たちの姿態は、下腹部を熱くさせて、
白い柔肌を絡めるように施された、綾なす菱形の紋様も鮮やかな縄による緊縛は、
陰茎をもたげさせ、妖しい美しさにある全裸を思い出せば思い出すほど、
硬直とした反り上がりをあらわして、ついには、むんずと手で掴んだことは、
縄に彩られた可憐な乳首、ふっくらとしたふたつの乳房、愛らしい臍、
漆黒の色艶を帯びた陰毛が隠させる、
柔和な女の小丘に覗かせる割れめを分け入って食い込まされた縄を眼の前にさせられたように、
放出にまで至るしごきを繰り返させることにありました、
激しくなるしごきが呼び覚ます快感に高ぶらされる官能は、
気持ちの良さに浮遊させられる思いにあって、
女たちに掛けられた縄に導かれていることを自覚させられました、
それは、あの女たちは、悪をあらわしているのではない、
むしろ、この喜悦をもたらす善をあらわしているのだと感じられたことは、
快感と喜びの頂点にある、白濁とした精液の放出を納得のいくものとさせるのでした、
女たちが三人いたことは、高ぶらされる官能は、
三人の女をそれぞれに想像させて、三回の射精にまで及ばさせたことにありました、
その充実感は、女たちの全裸にある姿態の美しさもさることながら、
その美しい身体に掛けられた、自然の植物繊維を用いて綯った麻縄の美を認識したことにありました、
男が土器の製作を生業としていたことは、土器の表面に施される意匠は、
あの女たちが身体の表面に綾なした縄の意匠と同様のものが必要であると霊感させられました、
縄には霊力があり、その縄で縛られることは、霊感がもたらされることにある、
土器は、縄の意匠で縛られた姿になることで、繁栄と豊穣の祈願をあらわすものにある、
男は、そのように理解することができたことにあったのです、
やがて、男にも妻を迎えることができるようになったとき、
村では、皆で喜び合うことは村の繁栄であるという皆がひとつであるということから、
妻となる女は、複数の男性の妻であることで妻とされていた風習にありましたが、
火を用いて焼き釜を使用する仕事の性格から、
山に独り引きこもっていた男は、妻となる女は、みずからのひとりの女であるべきことを決意しました、
更には、その女には、恐ろしい面を被った女たちから教えられた体験をすべて打ち明けて、
縄の霊力がもたらす霊感の喜悦を共有することを求めたのでした、
妻になった女は、素直に言われるがままのことを受け入れました、
全裸になった妻をみずから綯った縄で縛って交接する、夫婦生活の始まりでありました、
時間は経過して、この縄文人と呼ばれる、日本列島に居住する土着民は、
朝鮮半島や中国から難を逃れてやってくる民族を受け入れることしました、
彼らが携えている水稲の技術と列島の人口減少が必要とさせたことにありました、
外国の文化を受け入れることにやぶさかではないというありようは、
すでに、縄文人の時代から始まっていたことにあるとすれば、
<一義にある国粋>といった無意味は、
多種・多様・多義にあるからこそ、日本人・日本民族のありようと理解させることにあります、
その外来の民族が日本列島の地を踏んだとき、異様なものがあるの見て、驚愕しました、
北九州の海岸線の砂浜に、三本の白木の柱が建てられていたのです、
その柱には、それぞれに、一糸も身に着けない全裸にある三人の女が括り付けられていました、
女たちは、全裸にあるばかりでなく、白い柔肌を絡めるように施された、
綾なす菱形の紋様も鮮やかな縄による緊縛の姿にあったのです、
しかも、その素顔を覆い隠すように、恐ろしい鬼女をあらわす面が被せられていたのです、
その異様は、それまでに培われたみずからの文化意識にある外来人にとって、
理解し難いという以外にありませんでした、
何故、女たちは、人間としての羞恥を覆い隠す衣を奪われた、全裸の姿にあるのか、
何故、動物を家畜にするために縛る縄がその全裸に掛けられているのか、
しかも、その掛けられている縄は、意匠をあらわすような縄にあるのは、何故なのか、
そして、そのようなありさまにある女たちが柱に繋がれて晒されているのは、何故なのか、
奇妙、不可思議、不可解でしかなかった存在物にあったことでした、
この存在物を据えたのがこの地に居住する民族にあるとすれば、
その民族の奇妙、不可思議、不可解であることでしかなかったことでした、
ただ、女性の全裸にある美においては、その美の称揚は、
民族を問わない事象にあるという美意識の観点があるとすれば、
外来人は、驚愕の思いにある者もあれば、被虐に晒された恥辱のありようにあると見る者もあれば、
そうではなくて、白い柔肌を絡めるように施された、綾なす菱形の紋様も鮮やかな縄による緊縛は、
可憐な乳首を立たせた、ふっくらとしたふたつの乳房を縄で囲むようにして際立たせ、
愛らしい臍を際立たせて、漆黒の色艶を帯びた陰毛が隠させる、
柔和な女の小丘に覗かせる割れめを分け入って食い込まされた箇所を麻縄が際立たせていたことは、
女性の官能がかもしださせる匂い立つような妖美を漂わせることにあると感得した者もあったことでした、
奇妙、不可思議、不可解と言えることには違いはないが、そのようなありようにあるからこそ、
作り出される美の存在というものもあり得ることだと理解させたことでした、
そのように感得した者は、この列島に居住する民族と交流することで、
みずからを培ってきた文化とこの地の民族が培ってきた文化が交接することは、
更なる文化の発展・展開がもたされることにあると想像させることにありました、
何故ならば、率直な思いとして、般若の女たちを眺めている者の陰茎をもたげさせ、反り上がらせ、
放出を求めさせる官能の高ぶりは抑え切れないものにあって、
高ぶらされる快感は、広がりと深化にあることを感じさせることにあったからでした、
この列島の居住民と結ばれて、新たな文化を作り出せるという思いは、
三人の女たちが全裸の身体にあらわす縄が結ばせることだと認識させたことでした、
外来人の列島進出の始まりにあったことでした、
やがて、列島の北から南まで、外来人が行き渡ったことは、
列島全体が水稲の技術を手に入れたということであり、
外来人が携えてきたみずからの文化を土着民は学んだということでもありました、
暴力や武力行使は、傷害や殺人において、残酷・悲惨・悲哀をもたらすだけのありようでしかありません、
外来人と土着民のお互いは、他人との交際をまっとうするために人として行うべき作法をもって、
言行などが度を超さずに適度としてあるふるまいにあったことでした、
そこから作り出される法は、奇妙、不可思議、不可解と言えるようなことであっても、
それが美を現出させることにあると認識できることは、
人間にとって、神の認識と等しいことがあらわされていました、
みずからが存立するまわりを取り巻くすべての対象に対して神を認識できるというありよう、
あなたが神ならば、わたしも神、
<人間の抱く想像力こそが人間本来のものとしての神であるというヴィジョン>というありようでした。

<秘儀>として行われることは、そこに共有する概念が明確に存在することにあります、
<縛って繋ぐ力による色の道>には、<縛って繋ぐ力>という明確な概念があります、
それは、<結びの思想>と称される、<異化・変化・昇華>というありようです、
多種・多様・多義にある人間存在は、それをそのままとすれば、野放図・放埓・無際限をあらわします、
食欲・知欲・性欲・殺傷欲の求めるままに、やりたい放題があらわされます、
<礼・節・法>の必要は、そのありように対して囲繞を作り出すことにあります、
般若の女たちの存在が求められることは、
多種・多様・多義にある人間存在が共存できる囲繞の場としての国家が求められることにあります、
一義にある支配と被支配にある国家を超克した国家の創設ということにあります、
それを成しうるための日本人・日本民族の<縛って繋ぐ力>ということにあります、
多種・多様・多義にある人間存在を率直にあらわすことをすれば、
言語による概念的思考の整合性を結ばせるというありようからは、
相対・矛盾の事象は、おのずと生じることにあります、
食欲・知欲・性欲・殺傷欲の求めるままに、やりたい放題があらわされれば、
その相対・矛盾の事象は、更に、収拾の付かない状態へ置かれることになります、
<縛って繋ぐ力>という<結びの思想>は、そのような状態において発揮される進化力です、
<異化・変化・昇華>という状態を作り出すことに依って、
相対・矛盾の事象を超克するありようへ進化させるということにあるからです、
白い柔肌を絡めるように施された、綾なす菱形の紋様も鮮やかな縄による緊縛は、
可憐な乳首を立たせた、ふたつのふっくらとした乳房を縄で囲むようにして際立たせ、
愛らしい臍を際立たせ、漆黒の色艶を帯びた陰毛が隠させる、
柔和な女の小丘に覗かせる割れめを分け入って食い込まされた箇所を麻縄が際立たせていたことは、
女性の官能がかもしださせる、匂い立つような妖美を漂わせることにありました、
柔肌を圧迫される菱形の紋様の縄掛けに官能を高ぶらされ続けていたことは、
股間にはめ込まれた股縄が上半身の上気に伴って食い込むようになっていることで示されていました、
女芽と膣口と肛門は、鋭敏な刺激を与え続けられることにあったのでした、
高ぶらされる官能は、絶頂の快感を求めさせる以外の何ものでもありませんでした。

三人の般若の女の瞑想において、再び、<あの方>があらわれたことにありました、
相手を見るなり、思わず、驚きの悲鳴を上げることを当然とさせられる風貌にある存在、
禿げ上がった真っ白な頭髪に歯のないくぼんだ口もと、どぎつい目つきや鋭い鷲鼻、
皺だらけの小柄で痩せ細った身体が薄っぺらな着物に包まれて、
険しい老いだけがあらわとされている、醜悪を眼の前にさせられる恐怖を呼び覚ます方、
<導師様>でありました、
<導師様>は、歯のないくぼんだ口もとからくぐもった声音で告げられるのでした、
「おまえたち、三人の般若の女は、<民族の予定調和>を伝導するために、
<縛って繋ぐ力による色の道>を進むことを始めた、
おまえたちの修行のために、これから向かう伝導先で行われる、
小夜子という名の求道者を覚醒へ導くための修行を体験することは必要不可欠だ」
<導師様>は、般若の女たちを智慧の晒し柱から解き放つと、
「そのような縄掛けは、これからの修行には、無意味だ」
そのようにおっしゃられるのでした、
それから、般若の女たちは、露わとさせた生まれたままの全裸の姿にあって、
<導師様>からそれぞれに、くびれた優美な腰付きを際立たせ、
ふっくらとした女の小丘にのぞかせる漆黒の陰毛を分け入って、女の割れめがありありとさせられる、
深々と食い込まされる股縄を施されるのでした、
「おまえたちの覚醒が高ぶらされる官能からもたらされたように、
その股縄は、おまえたちの高ぶらされる官能による頭脳を明晰とさせるものだ、
おまえたちが小夜子という求道者を取り扱う行為に疑問も相反も矛盾もなく行うためのものだ、
それが小夜子の修行であるのと同時におまえたちの修行であることだ、
ついて来い」
<導師様>を先頭にして、全裸の姿態に股縄を縄掛けされた、般若の女たちは、
<眺望所>から、螺旋を描くような具合にして、下方へ下りていくありさまにありました、
全裸にある羞恥からの高ぶらされる官能が身体へ縄掛けされている縄と絡み合って、
遥かな深遠にある地下へ向かって、
塔の内部の壁に沿って作られた螺旋階段を下っていくということにありました、
やがて、辿り着いた地下からは長い廊下が伸びており、
<導師様>は、その突き当たりの扉の前まで導くと、
「入れ、小夜子がお前たちを待っている」
と言って、襖を開いて室内へ入ることを促すのでした。

日本間の様式に造られた部屋の落ち着いたたたずまいの床の間に、
縄文土器の模造品が古色蒼然とした風情で置かれ、
そのとなりには、髪留め、指輪、ネックレス、或いは、ピアスのような装飾品で飾られることがないばかりか、
柔肌を覆い隠す布切れひとつ許されない全裸、
股間を覆い隠す恥ずかしい陰毛さえ奪い去られていることでは、
生まれたままの裸姿の女が使い古されて灰色に褪せた麻縄でほっそりとした手首を後手にがっちりと縛られ、
ピンク色をした可憐な乳首ときれいに膨らんだ乳房を突き出させられるように上下からの胸縄を掛けられ、
優美な曲線をあらわす腰のくびれを一層引き立たせられるように腰縄をぎゅっと締め上げられ、
その正面から縦へ下ろされふっくらと柔らかな白い小丘を.淫らなくらいに盛り上げて、
股間を通された縄においては、女の割れめの奥深くへと埋没し官能の芯をじかにとらえて、
直立させられた姿態を悩めるように悶えさせるものとしてありました、
優れた学術の見解に比べて、そのありさまは、ただ、ただ、卑猥であるとしか言いようのないものでありました、
女にとって、どのくらいの時間、そのような卑猥な姿のまま放置されていたのかは、
すでにわからなくなっている様子にありましたが、疼かされ、掻き立てられ、煽り立てられる官能は、
ただ、緊縛されているというだけで、たどり着く場所の約束がないために、
ただ、ただ、耐えるということをする以外はその被虐の状況を観念して、
女は縄で縛り上げられれば、ただ、ただ、ただ、女らしさをあらわすしかないものであったのでした、
権田孫兵衛老人から告げられたように、
「女は美しい生きものだ、特に若い女性は輝ける生きものだ、少女に至っては天女の神々しささえある……
その美しい女が自然の生育させた植物の繊維で撚られた縄で縛り上げられている姿……
妖しくも、華々しくも、麗しくも、優美で、艶麗で、荘厳な姿、
この世で、これ以上の美しさはないという至上の美……」
女は女らしさとして、それをあらわしているだけのものでしかなかったと言ってよいものでした、
少なくとも、日本間の様式に造られたその部屋を取り仕切っていたのは、
権田孫兵衛老人に違いなかったのです、
床柱に繋がれた女がどのように思おうと、作者でさえどのように考えようと、
そこは、権田孫兵衛老人の調教部屋であったのでした、
その老人が姿を消してこもってしまった次の間の襖がおもむろに両開きとなり、
新たな三人の美しい生きものがあらわれたことは、
<色の道>の教授者の采配によることだったと言えるのでした、
あらわわれた三人が女性であることは間違のないことでした、
女性をあからさまにさらけ出すかのように、一糸もつけない、生まれたままの全裸の姿であったことは、
美しい三様の髪型、魅力的な顔の輪郭、艶めかしい首筋、優しいなで肩、
綺麗な乳房、優美な腰付き、愛らしい臍、
夢幻の漆黒に覆われた神秘の割れめ、悩ましい太腿、壮麗な尻、華麗な両脚、美麗な両足、
否が応でも見せつけられる美しい生きものに違いありませんでしたが、
三人が揃いも揃って、恐ろしい般若の面で顔を覆い隠し、
割れめへ深々と麻の股縄を締め込まされた姿をしていたことは、
何の序奏もなく、前口上もなく、事前通達などさらになく、
突然あらわれた般若面の三人組という存在は、
床柱へ繋がれて晒しものにされていた小夜子を驚かすのに充分なものがあったのでした。



☆九つの回廊*牝鹿のたわむれ

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